パ首位・ロッテ、佐々木朗希が球宴中間発表1位!野球ファンに知って欲しい魅力的な選手たち
ベースボールキング
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2023.6.12(月) 17:54
ロッテの佐々木朗希(撮影=岩下雄太)
日本野球機構(NPB)は12日、『マイナビオールスターゲーム2023』の出場選手を決めるファン投票の中間結果を発表した。12日の中間発表ではセ・リーグ首位を走る阪神の選手が先発投手(村上頌樹)、中継投手(岩崎優)、抑え投手(湯浅京己)、一塁手(大山悠輔)、二塁手(中野拓夢)、三塁手(佐藤輝明)、遊撃手(木浪聖也)、外野手(近本光司)と捕手部門以外は全てトップだ。一方で、パ・リーグ首位のロッテはというと、部門別のトップは先発投手の佐々木朗希1人だ。ロッテは、“投手力を中心にした守り勝つ野球”、“1つ先の塁を狙った走塁”、“送りバントでチャンスを広げ1本の安打で得点を奪う”など、“全員野球”で勝ちを拾っていくチーム。どうしてもマリーンズの選手たちの魅力が伝わりにくいのかもしれない。
ここでは何人かの選手たちを紹介していきたい。投手陣はファン投票で先発、中継、抑えの部門で1人ずつの選出だが、上位をロッテの選手たちで独占してもおかしくないくらいの成績を残している。佐々木朗希が先発投手部門トップだが、西野勇士は現在リーグトップタイの6勝。「僕の中での先発の理想像があって、それはとにかくカウント、テンポ、そういうところを、もちろんランナーが出たらテンポというところの話は変わってくるかもしれないですけど、過程というか、試合の作り方はある程度理想がありますね」と、ストライク先行でリズムよく抑えることを心がけ投げている。
「シンカーもすごい持ち味だと思っていますし、そこでファウルでカウントを作ってチェンジアップで空振りをとってというのが投球スタイル」と話すペルドモは、中継投手のランキング外だが、リーグ最多の21ホールドをマーク。「メジャーだと走って行くのが普通なので、そのルーティンを崩さずにやっているだけです」と、本拠地・ZOZOマリンスタジアムではリリーフカーに乗らず、ライトポール際から走ってマウンドに上がる。
リーグトップの16セーブをマークする益田直也は、今季セーブ失敗は1度もなく、4月23日のソフトバンク戦から6月5日の阪神戦にかけて15試合連続無失点に抑えるなど、その安定感は抜群だ。19年オフには当時3年連続Bクラスだったチームだが、益田は「家族と同じくらい好き」と、国内FA権を行使せず残留を決断した漢気溢れる投手だ。
その他の投手陣では、リーグ3位タイの5勝を挙げる小島は、1年目から自身の課題点をしっかりと見つめ修正し、コツコツと積み上げていくタイプの選手。リーグ3位の65奪三振の種市篤暉は、試合中にもイニング間のキャッチボールでフォークの握りを変えたり、テイクバックがスムーズにいくとの理由で、4月30日のオリックス戦の0-1の2回一死二、三塁で紅林弘太郎を迎えたところからグローブの使い方を変えるなど、24時間365日野球のことを考えられる選手。開幕前に日本ハムからトレードで加入した西村天裕は青柳晃洋(阪神)と行った自主トレで、「三振狙いにいって力んでフルカウントになって自分で苦しくなるんだったら、簡単にアウトを1個ずつ取っていって簡単に終わった方がいいよね」という話になり、今季から少ない球数で打ち取っていくスタイルに変更し、開幕から21試合連続無失点に抑えるなど、ここまで22試合に登板して防御率0.82だ。
野手陣は絶対的なレギュラーと言われるとキャプテンの中村奨吾に、中村とともに規定打席に到達している安田尚憲のみという状況だが、佐藤都志也は12球団トップの盗塁阻止率.667、山口航輝は現在交流戦4カード連続本塁打中で、14打点は交流戦12球団トップの成績を残す。規定打席に届いていないが、池田来翔は打率.333、藤原恭大が打率.292、茶谷健太が打率.289、藤岡裕大も打率.286、友杉篤輝も打率.282と、3割打者が1人のパ・リーグにおいて、3割付近の打率を残している選手が数多くいる。
選手たちもオールスターへ意欲を示す。オールスターへの想いについて聞くと、小島は「出たいですけど、成績がちょっと怪しいので目の前の試合をしっかり1試合、1試合抑えていきたい」と話せば、安田も「もちろん出られればとても光栄なことですし、今はできることをしっかり1個ずつやっていけたらなと思います」と話す。種市は「学生の頃、3年連続でオールスターを見ていたので、個人的にも出たいです!」と力強く話した。
ロッテというチームが首位であることを考えれば、監督選抜で多くの選手がオールスターに選出されそうだが、せっかくならばファン投票で一人でも多くの選手が選ばれて欲しい。
※今年のオールスターは、7月19日の第1戦がバンテリンドーム、翌20日の第2戦がマツダスタジアムで開催予定。5月19日から始まったパソコン、スマートフォンによるWeb投票、公式投票用紙による投票、郵便はがきによる投票は6月18日まで。6月28日16時に最終結果が発表され、7月5日16時に監督選抜を含むメンバーが発表される。
取材・文=岩下雄太