ロッテ・横山陸人「自信をもって投げられている」一軍でも安定した投球を披露!

ベースボールキング

  • ニュース

2023.6.7(水) 10:16

ロッテ・横山陸人(撮影=岩下雄太)

 「ある程度しっかり自分の球に自信を持って投げられていると思います」。

 引き分けを挟んで5連敗中と苦しい戦いが続くロッテの中で、4日に一軍再昇格した高卒4年目・横山陸人が、昇格後登板した2試合、いずれも無失点に抑えているのは、今後に向けて明るい材料だ。

 横山は今季4月9日に一軍昇格を果たしたが、2試合・3イニングを投げ4失点で4月16日に一軍登録を抹消。ファームでは150キロを超える速球に変化球ではシンカー、速いスライダー、カスティーヨから教わったカーブに近い軌道の120キロ台のスライダーを武器に、降格後の4月19日のヤクルト二軍戦から13試合連続無失点。4月23日の日本ハム二軍戦では、2-3の7回無死満塁で登板すると、阪口樂を153キロのストレートで空振り三振、続く宇佐見真吾も153キロのストレートで空振り三振、最後は郡拓也を遊直で、ピンチを脱した。

 ファームで結果を残し、満を持して昇格すると、同日の阪神戦に0-2の8回に登板。4番・大山悠輔に151キロのストレートをレフト前に弾き返されたが、続く佐藤輝明を137キロのシンカーで空振り三振。「ファームでもそういうところを集中してやってきたので、しっかり試合に出せて良かったと思います」。ファームでは変化球を課題に取り組んできた中、一軍再昇格後、初めてのアウトを変化球で、それも三振で打ち取った。

 空振り三振を仕留めたシンカーも素晴らしかったが、佐藤に対して1ストライクから2球目に投じたインコースの150キロストレートで見逃しを取ったのも良かった。本人も「ファームでやっていたストレートをしっかり投げられていたので、そこは良かったと思います」と振り返った。

 続く森下翔太を133キロのスライダーで中飛、梅野隆太郎を154キロのストレートで投ゴロ、1回を無失点に抑えた。

 「めちゃくちゃ緊張していたんですけど、実際にマウンドに立ったら開き直れたというか、しっかり投げられた。良かったと思います」。

 翌5日は7-7の延長12回と、失点したらチームが敗れるというプレッシャーのかかる場面でのマウンドとなったが、圧巻の投球を見せた。前日レフト前に安打を許した4番・大山をスライダーで3球三振に仕留めると、続く佐藤輝を高めの153キロストレートで空振り三振。最後は島田海吏を151キロのストレートで投ゴロに打ち取った。

 再昇格後、登板は2試合だが、ファームでやってきたことをしっかり出せているように見える。本人も「しっかりファームでやってきたことを一軍でやって、実際に結果も出ています。佐藤選手に対してストレート、変化球で空振りも取れたので、そういうところはやってきたことが出せたと感じています」と手応えを掴む。

 「まだ2試合なので、これからもっと10試合、20試合とか投げたところで、自分の球がまだ投げられているかが、シーズン通して大事になってくると思う。そこは継続してやっていければと思っています」。現在2試合連続で無失点に抑えているが、継続することの難しさ、重要性を口にする。若い選手が活躍すると、チームに勢いがつく。このまま一軍に食らいつき、勝負の夏場以降はブルペンを支えるような存在になっていて欲しいところだ。4月中旬以降の横山の投球を見ていると、期待したくなる。

取材・文=岩下雄太

記事提供:

ベースボールキング