◆日本生命セ・パ交流戦　中日０―５オリックス（４日・バンテリンドーム）

　オリックス・宮城大弥投手（２１）が中日・高橋宏との侍対決を完封で制した。内野安打２本だけで無四球。二塁を踏ませない圧巻の投球で、今季２完封は両リーグ最多。チームは今季最多の貯金９で、５月１６日以来の首位に浮上した。

　「調子も良くて、いろんな球で勝負できました」。今季初の２ケタ１０三振はすべて空振りで奪った。スライダー、チェンジアップだけでなく、フォークも駆使。「階段を１段飛ばしに下りるような感じ」。慣れないバンテリンＤのマウンドについて、２、３日に先発した山岡、山崎福から助言をもらった。急な傾斜に対応するため、右足を滑らかに下ろすという工夫も実った。

　高橋宏から前日、連絡があった。「（登場曲は）『何を使ってますか？』と」。この日、高橋宏の打席では、宮城の本拠地での登場曲「三線の花」だった。「まさか。優しい彼だからこそ、そういう思いがあったのかな」。日本代表の最年少だった高橋宏と１学年上の宮城は３月のＷＢＣで、ブルペン用のガムなどを買い出しに行くのが役目だった。心を通わせるライバル対決は、７回までともに無失点の緊迫した投手戦を展開した。

　８回の打席では藤嶋から左前に適時打。「（昨オフに野球）用具で一番こだわったかもしれません」。同じ左打者の広島・坂倉をモデルとしたバットでプロ初打点を記録した。

　前回５月２８日は１０安打を浴びて今季初黒星を喫したが、見事に修正し、山下と並ぶチームトップの５勝目。「次も一生懸命、頑張ります」と、チームの首位固めを支えていく。（長田　亨）

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