【楽天】早川隆久 「世代交代」を引っ張り、目標のソフトバンク・和田毅を超える・・・スペシャルインタビュー
スポーツ報知
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2023.6.3(土) 09:08
3日連続でお届けするスペシャルインタビュー最終回は楽天の2020年ドラフト1位・早川隆久投手(24)。近未来のエース候補が持つ世代交代の思いや、早大の先輩、ソフトバンク・和田毅投手(42)を超える目標について胸の内を語った。(取材・構成=長井 毅)
借金10で最下位に低迷するチーム状況の中、若い芽が着実に成長し始めている。その先頭を走っているのが早川だろう。今季はここまで7試合で2勝3敗と負け先行だが、防御率は1・59。ハイレベルのパフォーマンスを発揮している。
「そこまで勝ち星に関しては焦っていないです。どちらかというと、長いイニングを投げて、どれだけ最少失点に抑えられるか。そこは先発としての役割、仕事なので、それを達成できるようにと思っています」
直近3戦連続でハイクオリティースタート(HQS=7回以上自責2以下)をマークするなど有言実行の活躍で若き投手陣の柱へと成長中。昨年は左肘痛の影響もあり、満足いく投球ができない日々が多かった。万全な状態でなくとも「ベストパフォーマンスを出していかないとプロでは通用しない」と身をもっての経験が「2年目の大きな成長だった」と振り返る。
「今年で言えば小島(和哉)さん(ロッテ)がここ最近だと悪くてもQS(6回以上自責3以下)を達成しているイメージがある。和田(毅)さん(ソフトバンク)の全盛期も100%ではなくても7、8割の状態は保って長いイニングを投げて勝ち星を積み上げていることがすごい。今年は大竹(耕太郎)さん(阪神)は44回2/3を投げて自責2。防御率0・40って何なんだと思います(笑い)。大学の先輩以外でも、同い年の山本由伸(オリックス)もそうですし、常にタイトル争いをしている選手はそういうこと(コンディショニング整備)ができているんだと感じますね」
1年目のオフから自主トレを共にする和田は入団前から何度も口にしてきた偉大な目標だ。4月26日には敵地ペイペイDで2度目の投げ合いが実現したが、敗戦投手となり「壁が高すぎて超えられる気がしない」と本音も漏れたが、それでもそのハードルを飛び越えることをモチベーションにさらなる成長を誓う。
「目標は和田さんを超えるという部分は変わらない。どうやったら超えていけるか。一日一日積み重ねていきたい。勝ち星も和田さんよりも勝ちたい。この前も2000投球回も達成された。自分も高いキャリアを目指したいです」
先発に新風を入れたいという石井監督の方針の下、今季は同世代の藤平、23歳の松井友、ドラフト1位・荘司がカード3連戦を託されるなど、若手の登板機会が増えている。コンディション不良を訴え、現在は2軍で調整中の岸は12月で39歳を迎え、開幕投手の田中将も11月で35歳、エースの則本も12月で33歳になる。長らく投手陣を引っ張ってきたベテラン勢が徐々に“ピークアウト”の時期に入ってきたことは明らかで、早川自身も現実に目を向ける。
「藤平とかがどう思っているかは直接話したことはないですけど、個人的に(若手による世代交代を)やっていかないといけないというのは薄々感じています。自分たちが出ていかないといけないというのは入団時から思ってきていることなので」
「世代交代」の流れが来ていることを感じ、自身が旗手となってけん引していく覚悟を持つ。色紙に書いた「二桁勝利」の文字に決意がにじんだ。まだ残り96試合ある。当然ファイティングポーズは崩さない。
「ミスがあった時に下を向かずにカバーできる投球をしていければ。自分が取り返すくらいの気持ちで投げていきたい。そういう姿勢を見せてチームがいい方向に行けばいいなと思います」
内に秘めた闘志をむき出しにして左腕を振り続ける。
◆早川 隆久(はやかわ・たかひさ)1998年7月6日、千葉・横芝光町生まれ。24歳。木更津総合高では3年時に春夏連続で甲子園8強。高校日本代表。早大から20年ドラフト1位で楽天入団。最速155キロ。180センチ、76キロ。左投左打。通算50試合で16勝19敗、防御率3.50。年俸3300万円。
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