【楽天】岸孝之通算150勝を大学時代の恩師が支えた言葉「細くても強い選手になろうよ!」
スポーツ報知
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2023.5.3(水) 05:30
◆パ・リーグ 楽天5ー1ロッテ(2日・楽天モバイル)
楽天・岸孝之投手(38)がプロ野球51人目の通算150勝を達成した。2日のロッテ戦(楽天モバイル)に先発して8回1失点で今季初勝利を挙げ、王手をかけてから“5度目の正直”で節目に到達した。
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「細くても強い選手になろうよ!」。東北学院大で監督を務めていた菅井徳雄監督(現・石巻専修大コーチ)は常にそう声をかけてきた。3年夏、合宿中になかなか調子の上がらない岸を陸上競技場に呼び出し、200メートルの走り込みを命じた。線も細かった右腕は5本程度しか走れず、体力のなさを痛感。悔しさから「絶対にやってやる」と闘志を燃やし、体力作りに励んだ。その結果、翌年2月の合宿では20本を走りきりチームトップに。「伸びるな。大丈夫」。菅井監督が確信した瞬間だった。
「伸び率が普通の人より大きかった」との言葉通り、4年春のリーグ戦では3連投もこなせるようになり、チームのリーグ優勝に貢献。エースとして急成長し、ドラフト1位でプロの世界に飛び込んだ。
西武時代の10年には右肩の炎症、楽天に移籍した20年には腰を痛めるなどけがに泣くこともあったが、大学時代から自身の体調管理をしっかりと行ってきた土台があるから、選手寿命も延びた。「けがはしたけどだからこそ10年以上やっているんだと思う」。恩師は教え子の偉業達成に目を細めた。(内藤 菜月)
◆岸 孝之(きし・たかゆき)1984年12月4日、宮城県生まれ。38歳。名取北高から東北学院大を経て、2006年大学生・社会人ドラフト希望枠で西武に入団。1年目から11勝。14年にはノーヒットノーランを達成した。FA権を行使して17年から楽天に移籍。通算成績は352登板で150勝105敗1セーブ。180センチ77キロ。右投右打。
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