【オリックス】宮城大弥 5月は9試合で7勝無敗 令和の「ミスター・メイ」で今季初の単独首位

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2023.5.3(水) 06:00

ヒーローインタビューで今季3勝目をあげたことを指で表現する宮城大弥(カメラ・岩田 大補)

◆パ・リーグ ソフトバンク0―1オリックス(2日・ペイペイドーム)

 オリックス・宮城大弥投手(21)が令和の「ミスター・メイ」の存在感を見せつけ、チームを今季初の単独首位に導いた。8回無失点で3勝目を挙げ、これで21年から5月は9試合で7勝無敗。開幕からペイペイDで7戦全勝だったソフトバンクに土をつけ、貯金も最多の「5」。3連覇&連続日本一に向け、エンジンがかかってきた。

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 月が替わり、宮城も変わった。最大の勝負どころと決めた8回2死一塁。柳田に挑み続け、2ボール2ストライクからスライダーを低めに決めた。「攻めたことが、いい結果になりました」。空振り三振でピンチ脱出。緊張をほどき、力いっぱいにガッツポーズをした。

 今季最長の8回を5安打無失点で3勝目。開幕からペイペイDで7戦全勝だったホークスに土を付け、自身も5月はプロ入りから9試合で7勝無敗だ。「いや、全く。初めて知ったので…」と試合後も無意識だったミスターメイ。頑張れる理由もあった。

 3月生まれの妹・弥生(17)が大手芸能事務所「ホリプロ」入り。女優を目指し、新たなスタートを切ったばかりだった。「めげずに頑張ってくれたら、お兄ちゃんとしてはうれしいです」。WBCでは米国まで駆けつけ、応援してくれた。格好いい兄らしく、祝福代わりの白星を贈ってみせた。

 4月25日の日本ハム戦では、自己最短の1回2/3を5失点と炎上した。登板翌日には、エスコンフィールドの外野で中嶋監督と会話した。常に「WBC」や「侍」という肩書きが付いて回ることを気にかけていたのが指揮官。「お前らしく、一からやり直そうな」と温かく背中を押された。

 中6日の調整期間で下半身主導を意識し、原点でもある直球の精度を磨き直した。初回2死一、三塁では昨季6打数4安打2本塁打のリチャードを捕ゴロ。「一球一球、大事にいくことができた」。最遅85キロだったスローカーブは11球投げ、うち5球がアウトの結果球になった。5回の犠飛で先制援護してくれた女房役の森も「間の取り方とか、こっちも悪かった」と乱調後に気遣ってくれた1人。「丁寧に放りながらの大胆さ。前回は何やったんや?という話ですけどね…」とは中嶋監督なりの褒め言葉だ。

 8回終了時には指揮官から「まだいけるか?」と聞かれ「いけます」と即答したが、最後は平野佳に託した。「ブルペンに素晴らしい先輩方がいっぱいいる。しっかり任せることができた」。チームの貯金も最多の「5」に増え、単独首位に浮上。名誉挽回には十分すぎる快投でオリックスを加速させた。(長田 亨)

 ◆過去のミスター・メイ 

 ▽秋山幸二(西武、ダイエー) 春先に悩まされた花粉症が和らぐ5月が得意。自身月別最高の通算打率2割9分4厘、99本塁打、284打点をマーク。1985年、91年には5試合連続本塁打を記録し、ともに月間MVPを受賞。

 ▽杉内俊哉(ダイエー・ソフトバンク、巨人) 通算142勝中、5月に最多の33勝。07~11年途中まで14連勝し、月間MVPを受賞した9回のうち4回が5月だった。ノーヒットノーラン達成も巨人時代の12年5月30日(東京D)だった。

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