【日本ハム】矢沢宏太が2階席へ特大プロ1号 リーグV決めた日体大後輩へ祝砲「縁がありますね」

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2023.5.1(月) 04:55

5回にプロ初本塁打となる右越え1号ソロを放った矢沢宏太は打球の入った右翼席を指さし、笑顔で記念ボールを掲げた(カメラ・関口 俊明)

◆パ・リーグ 日本ハム5―1ソフトバンク(30日・エスコンフィールド)

 日本ハムの矢沢宏太投手(22)が待望のプロ1号を放った。1点リードの5回無死、ソフトバンク・藤井の150キロ直球を右翼2階席まで飛ばした。ルーキーの44打席目での一発もあり、チームはエスコンで初のカード勝ち越し。二刀流左腕は2日のイースタン・西武戦(カーミニーク)で公式戦“投手デビュー”する予定。投打での活躍を目指す。

 極上の感触とエスコンの大歓声が、全身を貫いた。ダイヤモンドを一周した矢沢はベンチの手荒い祝福を受けると、ルーキーらしい笑顔がはじけた。「これはいったな~って感じでした。本当に気持ちいいです」。44打席目で生まれたプロ初アーチで、第一歩を踏み出した。

 新人離れした思い切りの良さを発揮した。1点リードの5回無死。ソフトバンク先発・藤井の高め150キロ直球を右翼2階席まで運んだ。追い込まれても「来たボールを振る感じです」。全打席本塁打狙いで、狙い球は全球種。藤嶺藤沢高時代からの打撃スタイルをプロでも貫いている。

卒アル現実に 18歳の自分との“約束”を果たした。高校時代は最速148キロ左腕&通算32発でプロ注目も指名漏れ。複数球団から育成選手として入団の意思を確認する連絡を受けたが、「大学で腕を磨く」と進学を決意。卒業アルバムの写真には「2022 ドラ1」と題名をつけた。

 高校進学時は「寮に入りたくない」ことを理由の一つに甲子園優勝校などの誘いを断ったが、大学では日体大の寮で野球に集中することを選択した。4年間で計10キロの増量に成功し、投打で計3度のベストナインを獲得。新庄監督から「本当に欲しい選手」と1位指名を公言され、夢をかなえた。この日は母校の日体大がリーグ制覇。「縁がありますね。僕らの代から年下に頼っていた。強い日体大でいつづけてほしい」とうなずいた。

 チームは新球場・エスコンの5カード目で初の勝ち越し。昨季まで12番をつけていた松本剛と肩を並べて初のお立ち台に立った。2日にはイースタン・西武戦で1イニングを投げ“投手デビュー”する予定で「素晴らしい番号をつけさせてもらっている。投手としても少しずつ成長できたら」。日本ハムの二刀流を引き継ぐ男の伝説が、幕を開けた。(内田 拓希)

 ◆矢沢 宏太(やざわ・こうた)2000年8月2日、東京・町田市生まれ。22歳。町田リトルで6歳から野球を始め、忠生中では町田シニア。藤嶺藤沢(神奈川)では1年夏に外野手でベンチ入り。1年秋からエース。通算32本塁打。日体大では投手、外野手、指名打者でベストナイン。173センチ、71キロ。左投左打。年俸1500万円。

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