【ロッテ】吉井理人監督、ゆる~い“温存野球”でソフトバンクに3連勝…強さの要因を担当記者が見た

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2023.4.24(月) 05:00

単独首位に浮上し、ポーズを決める(左から)佐藤都、種市、藤岡、平沢(カメラ・佐々木 清勝)

◆パ・リーグ ロッテ6―2ソフトバンク(23日・ZOZOマリン)

 ロッテが開幕3連敗を食らったソフトバンクに3連勝を飾り、21年10月24日以来となる単独首位に浮上した。荻野や高部ら主力を故障で欠く中、吉井ロッテの強さの要因を担当の小田原実穂記者が「見た」―。

 吉井監督の“作戦勝ち”か。2シーズンぶりの単独首位浮上を決めた吉井監督は「良かったです」といつも通り淡々と語ったが、試合を終えるとナインとうれしそうにハイタッチを交わした。これで本拠地では今季9勝1敗だ。昨季は開幕から19試合終了時点で52得点、チーム打率は2割0分5厘で5位。今季は同条件で66得点、2割2分3厘で単独首位とほぼ同じ戦力ながら、打撃力が上がった背景には“吉井流”のチーム操縦がある。

 チームは20日にエスコンでのナイターを終え、翌21日は本拠での移動試合。疲労を考慮し、当日だけは自主練習やシートノックをなくすことは昨季もあったが、吉井監督はソフトバンク3連戦全てを自主練習にしシートノックもなくした。その理由を「体力温存です」と説明し、こう続けた。「打撃なんかみんなで練習する必要がない。みんなでやるとやらなくちゃとなって、試合の準備になっていない」。メジャーを経験した指揮官の方針は勤勉な日本野球の中にあっていい意味で“ゆるい”。今春の石垣島キャンプでも午後は個人練習とし練習の有無は個人に委ねた。「日本球界は練習のしすぎ。開幕した時に体力がないことがよくある」と練習量を調整している。

 現在打率2割9分9厘と好調の藤原も「へばらしたら戻ってこない」とこの日は休養日とし、守護神も固定せず益田と沢村の日替わり。昨季の今頃と打率などの数字は大きく変わらず、むしろ主力の荻野や高部が欠けているが、吉井流“温存野球”が成果として出ている。この日3ランを放った佐藤都も「自分の時間を余裕を持って過ごせるのはやりやすい」と話した。

 まだ4月とはいえ単独首位。指揮官は「あんまり考えてない。全力で戦うだけ」とはぐらかしたが、手応えを感じるには十分な結果だろう。藤原や平沢、種市や佐々木朗ら若手が活躍する今のチームに主力が戻ってくれば、ますます勢いを増すかもしれない。(小田原 実穂)

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