◆パ・リーグ　日本ハム２―０ロッテ（２０日・エスコンフィールド）

　日本ハムはロッテを２―０で破り、連敗を４で止めた。打線は「２番・左翼」で先発した松本剛外野手（２９）と「７番・遊撃」で２戦ぶりスタメンのドラフト５位・奈良間大己内野手（２２）＝立正大＝の２本の犠飛で２得点。投手陣も抜群の安定感を見せて今季初の完封リレーを飾った。連敗脱出、５戦ぶり勝利の勢いそのままに２１日からの楽天との３連戦（楽天モバイル）に臨む。

　球場中に笑顔が戻った。ロースコアの展開をものにして連敗を脱出。貴重な追加点をたたき出し、プロ入り後初めてお立ち台に上がった奈良間は「いい景色。うれしいです。“なまら”あたたかいです！」と北海道のファンから注がれた拍手に初々しく感謝した。

　しぶとく１点をもぎ取った。０―０の３回無死一、三塁。松本剛は「下位打線がチャンスをつくってくれた。何とか１点を」と相手先発・メルセデスの内角１４１キロを左中間へ。飛距離十分の左犠飛は８日・オリックス戦（京セラＤ）以来、自身９試合ぶりの打点。「最低限の仕事ができた」と選手会長の一打で均衡を破った。

　勝利への執念はルーキーも変わらない。４回、先頭の万波が初球を捉えて左中間二塁打。６番・谷内は１球で犠打を決め、流れるように１死三塁を演出。続く奈良間は、追い込まれてからファウルで４球粘り、９球目の内角高め直球に反応した。「つないでもらった。何としても当てたかった」と４球目の高め空振りを打席内で修正し、価値ある左犠飛とした。守ってもプロ初の遊撃での先発で無失策と連敗阻止に貢献した。

　「今日から始まるぐらいの気持ちでいきましょう！」。１点差で敗れた１９日の試合前。２年目の上川畑が円陣で声を張り上げた。選手の心が動いた。「開幕して２戦で１勝１敗、そのぐらいの気持ちで明日からもやっていきたい。コツコツ、必ず前を向いて」と松本剛はナインの思いを代弁した。（堀内　啓太）

　〇…ロッテ戦の試合前に新球場第１号ホームランボール贈呈式が行われた。３月２２日のソフトバンクとのオープン戦で左翼へ「エスコン１号」を放った今川が、上野北広島市長へ記念球を贈呈した。札幌出身の道産子は「大変光栄な思いです。もっと勝って北海道全体を盛り上げられるよう頑張ります」と決意。上野市長は「第１号ですので、多くの市民の皆様に見ていただけるよう市役所の２階受付に飾らせていただきます」と笑顔で話した。

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