【西武】今井達也、大宮で“チームロン毛”高橋光成以来の完封 ノーヒットノーランあと5人で逃すも動じず

スポーツ報知

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2023.4.14(金) 05:15

7回2死一塁、ポランコを右邪飛に打ち取りガッツポーズする今井(カメラ・今西 淳)

◆パ・リーグ 西武2―0ロッテ(13日・県営大宮)

 大記録は気にならなかった。8回1死。安田に投じた98球目だった。151キロの速球を三遊間にはじき返されると、西武・今井達也投手(24)は初めてHマークに明かりがともったスコアボードに視線をやった。「5回くらいから安打を打たれていないと思っていたんですけど、ボールが自分の手から離れたらどうにもできないので…」。無安打無得点を逃しても落ち込むことなく後続を断ち、2021年9月11日の楽天戦以来、2年ぶりとなる自身3度目の完封勝利を達成。9回を投げ抜いてのシャットアウトは12球団一番乗りだ。

 初めて踏む大宮のマウンドでも淡々と右腕を振った。5四死球は出しながらも、138球で2安打、11K。右翼から左翼へ風速4メートルの強い風が吹き、長髪をなびかせたが、最後まで半袖のアンダーシャツで投げ抜いた。ムダな力の入っていないフォームから最速152キロの速球にカーブ、スライダーといった変化球もさえた。「柘植さんのリードのおかげです。真っすぐで押せるところは押して、カーブでカウントを取れたのもよかった」。頭部に死球を受けながら出続けた柘植に感謝した。

 背番号が11から48に変わった。昨季限りで引退した武隈祥太(現バイオメカニクス兼若獅子寮副寮長)がつけていた番号を球団に直訴して引き継いだ。ファームで苦しんでいる時、さりげないアドバイスで励ましてくれた兄貴分。昨年11月の引退セレモニーで花束を贈呈した時、人目もはばからず号泣した。「残留練習でよく武隈さんに会うと、毎回うれしそうな顔で話してくれる。1勝でも多く去年以上の成績を残せればとやりがいを感じています」と頬をゆるませた。

 昨年の開幕は右内転筋の故障などで出遅れたが、今季はすでに2勝して16イニング無失点だ。「去年を含めて納得いく成績を残せていない。いい先輩がたくさんいるので、負けないように頑張りたい」。主力としての自覚をみせる右腕が、投手陣を引っ張っていく。(秋本 正己)

 ◆チームロン毛 〇…今井といえば、エースの高橋光成とともに帽子からなびく長髪がトレードマーク。2月のキャンプ時には高橋が「チームロン毛、部員募集中です」と呼びかけたが、今のところは2人だけ。ちなみに西武投手が大宮で完封したのは16年5月26日の楽天戦以来となったが、この時の投手が高橋。“チームロン毛”の結びつきの強さを感じさせる好投劇だった。

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