【オリックス】福岡大大濠の恩師・八木啓伸監督「山下舜平大は真っすぐにこだわりを持ってほしかった」
スポーツ報知
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2023.4.12(水) 06:10
プロ初勝利をマークしたオリックス・山下舜平大投手(20)の福岡大大濠の恩師・八木啓伸(ひろのぶ)監督(45)が11日、スポーツ報知に喜びのメッセージを寄せた。山下本人が「今に生きています」と感謝する高校時代の英才教育の一端を明かした。(取材・構成=小松 真也)
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山下には、高校入学当初から浪漫を感じていました。球速は130キロ台前半で、制球もいいタイプではなかった。ただ、小さくまとまらず、スケールの大きな投手に育てたいと考えました。
一番は真っすぐにこだわりを持ってほしかった。中学時代からチェンジアップやスライダーも投げていましたが、1年秋に「直球とカーブの2球種に絞ろう」と伝えました。教え子に浜地(現阪神)らもいますけど、そういう提案をしたのは山下だけです。また、いいカーブは投球フォームと腕の振りが良くないと投げられない。横振りになる癖があったので、将来的なことも踏まえました。
当然、球種を絞っていたため試合でかなり打たれましたね。2ケタ失点もありました。本人は他の球種を投げたいという葛藤があったはずです。でも、素直に我慢して、コツコツできる子。その成果が出て、2年秋に大阪桐蔭との練習試合で5回12奪三振の投球をしました。自信をつけたマウンドになったと思います。
練習では遠投を大事にしました。30、50、70メートルの距離で、体をしっかり使って低い軌道の強いボールを投げることを重視。その甲斐あって、3年夏の合同練習会でスカウトの方から遠投を評価していただいた(※注)。あとは線が細かったので常々、「食べることも練習だぞ」と。ご家庭のサポートもあり、体重は約15キロ増え、球速も20キロぐらいアップしましたね。
まずはプロ初勝利を挙げ、「おめでとう。やっと始まったな」と、言葉を贈りたいです。初登板の3月31日の西武戦(ベルーナD)を現地観戦した後、彼に「堂々としていて良かったよ」と連絡しましたが、ピンチでの姿は大きな成長。これから、チームを勝たせる投手になってもらいたいですね。
(※注)山下はコロナ禍で3年春夏の甲子園中止を経験。20年8月末に開催された「プロ志望高校生合同練習会」で初めて聖地のグラウンドに立ち、最速150キロをマークするなど、その名を全国にとどろかせた。
◆八木 啓伸(やぎ・ひろのぶ)1977年8月10日、福岡市生まれ。45歳。福岡大大濠では内野手。立命大から西日本銀行(現・西日本シティ銀行)の軟式でプレー。04年3月から母校コーチ、09年に部長、10年に監督就任。17年春、21年春に甲子園出場。
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