【オリックス】山下舜平大5回無失点10Kプロ初勝利「どんどん(自分を)超えていければ」

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2023.4.12(水) 06:00

プロ初勝利を挙げウイニングボールを手に笑顔を見せる山下舜平大(カメラ・池内 雅彦)

◆パ・リーグ 楽天0―6オリックス(11日・楽天モバイル)

 オリックス・山下舜平大投手(20)がプロ初勝利をマークした。1軍2試合目の登板は先発で5回を2安打無失点、自己最多の10奪三振。最速157キロの直球を主体に、カーブ、フォークを交えて93球。チームの連敗を2で止め、今季初の零封勝利、勝率5割復帰に貢献した。

 進化の序章ともいえる、山下のプロ初勝利だった。「まだまだできる、というつもりで練習している。どんどん(自分を)超えていければと思います」。1軍2試合目でつかむのはエースの山本と同じ。感慨に浸ることなく「このチームにいれば、ゆっくりしている暇はない」と前を向いた。

 初登板で開幕投手を務めた3月31日の西武戦(ベルーナD)から中10日でのマウンド。2月のキャンプ、オープン戦と1度もなかった若月と呼吸を合わせた。最速157キロの直球を軸に5回2安打無失点、毎回の自己最多10奪三振。「何も気にすることなく、ビビることなく、投げ込むだけでした」と女房役を信じ、キャンプで野茂英雄氏から伝授されたフォークでも3三振を奪った。

 20年のドラフト1位で入団。担当の縞田スカウトは高2の冬に初めて福岡大大濠のブルペンに足を運んだ。見ほれるほどの剛速球。ネット越しでも、よけてしまうほどの衝撃があった。コロナ禍で満足に練習ができない中でも、1年間で球速は153キロまで7キロ増。佐藤輝(阪神)の外れ1位も「高校生投手ならNO1」の評価は揺るがなかった。

 昨年までの2年間は1軍登板なし。11月に両足首付近の三角骨摘出手術を受け、リハビリに時間を費やした。オフは筋肉だけ5キロ増やし、体重102キロに。栄養摂取の知識を蓄えようとボディービルダーの著書を読んだ。低脂肪、高タンパクの苦手な魚介類も口に運んだ。回転すしではサーモンだけを10皿食べた。

 3月の侍ジャパンとの強化試合では、京セラDでダルビッシュ(パドレス)と対面した。プロを目指すきっかけを与えてくれた大先輩。「継続すればいいんじゃない?」とサプリメントなど自身の取り組みについて背中を押してくれた。「自分を信じて…」と常に言い聞かせ、チームの連敗も2でストップ。勝率5割に復帰させた。勝利球の行き先は、女手一つで育ててくれた母・美智代さん。大器の道が明るく開けた。(長田 亨)

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