“自分で考える”意識が若手投手陣に浸透 ロッテ・小野晋吾投手コーチ「会話することで」

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2023.4.11(火) 09:09

ロッテ・小野晋吾投手コーチ(撮影=岩下雄太)

 「ファームで見ていた選手たちが、一軍で躍動してくれると嬉しいですね」。

 ロッテの小野晋吾コーチは、2016年から6年間ファームの投手コーチを担当し、22年からは一軍の投手コーチを務め、投手コーチ陣の中ではロッテのコーチ歴が一番長く、若手投手陣、いやロッテの投手陣を誰よりも熟知していると言って良いだろう。

 ファーム投手コーチを務めていた時には、「自分で気づく、自分でなんとかしなければと気付ける選手になっていかないといけない。それを僕らが気付けるように導いてあげる。気づきを与えてられるコーチングをしたいと思っている。とにかく考えてなんでもできるようにしていきたいという感じです」と、ファームの投手陣に“一軍の勝ちに貢献できるピッチャーを目指していくこと”、“自分自身で考えて練習、試合に取り組むこと”を口酸っぱく伝えてきた。

 一軍の投手コーチに配置転換して2年。一軍ではどのような指導を心がけているのだろうかーー。

 「一軍はファームの時とは違って、一軍でしっかりとパフォーマンスを出せるような見方をしているというか、気持ちよく投げることができるようにサポートするくらいですね」。

 ファームの投手コーチ時代には、若手投手陣を中心に面談を行っていた。時期によっては若手投手が一軍に多く登録されていることもある。一軍投手コーチとなった今も、若手投手陣を中心に面談を行っているのだろうかーー。

 「去年までは育成対象の選手は毎試合やっていたんですけど、先発も今年は若いというか30歳以下のメンバーはやろうかなと思っています。そのサイクルは常にしていったほうが、したほうがいいと思うので、次の試合に向けていい準備をやっています」。

 コロナ禍で取材制限などもあり昨年までの3年間は取材機会が減少していたが、今年に入って取材する機会が増え、若手投手を取材していると自分の考えや、一軍で活躍するためにどういう取り組みをしたらいいのか具体的に説明できる投手が増えた印象だ。この3年で“自分で考える”という部分において、小野コーチを中心にチームで取り組んできたことがかなり浸透しているように感じた。

 そのことを小野コーチに伝えると、「(選手たちの)受け答えも全然違ってきていますし、最初やり始めた頃は僕も色々勉強しなければいけなかったところはあるので、会話することで色々選手たちの変化、考え方が変わってきているなと実感できました。僕も勉強させてもらったし、それが今になって指導に生かされている。選手たちの変化も感じることができるようになってきましたね」と、小野コーチ自身も選手と面談をすることで勉強になった部分が多くあったようだ。

 「とにかく一軍に来たら結果を残さなきゃいけない。一軍で結果を残すためにどういう準備をしたらいいのかというのを常に意識させて、会話して最高の準備ができるような、準備の仕方になっていますね」。小野コーチは選手たちが最高のパフォーマンスが発揮できるよう、コミュニケーションを取り、時に見守りながら、今日も投手陣を支えている。

取材・文=岩下雄太

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