【西武】新人右腕・青山美夏人の原点は「ありがとうございます!」…担当記者コラム
スポーツ報知
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2023.4.8(土) 06:00
通りすがりの人にいきなり「ありがとうございます!」と大声であいさつされたら、きっと驚くはずだろう。もう6年前のことになる。横浜隼人高の野球場を訪れると、すれ違う野球部員が立ち止まってしてくれたあいさつは、「こんにちは」「お疲れさまです」でもなかった。「ありがとうございます!」だった。
グラウンドだけではなく、試合でのあいさつも同様だ。同校野球部の水谷哲也監督は「来てくれたこと、試合ができることに感謝するという意味です」と説明してくれた。日常でも何の気なしに口にするフレーズだが、その一言の重みをコロナ禍で痛感することになる。練習はもちろん試合をすることもできず、球場への訪問客も途絶えた。「当たり前だったことが当たり前ではなくなった。OBからは『そういうことだったんですね』とよく言われました。コロナ禍でよく分かったと思います」と水谷監督はしみじみと語った。
6年前、そのグラウンドにいたのが同校出身の西武の新人右腕・青山美夏人(みなと)だ。2日のオリックス戦(ベルーナD)でプロ初セーブを記録。お立ち台で両親に向けたコメントを求められて「ありがとうございます!」と喜んだ。
最速151キロの速球、ツーシーム、スプリットを駆使する安定した投球でオープン戦は5試合5イニングで無失点。首脳陣に好投が認められて開幕1軍入りを果たした。
3月31日のオリックスとの開幕戦。1点リードの9回、松井監督は青山に最後を託した。この時は2死から森に同点弾を許したが、その2日後はしっかりと締めくくった。「(首脳陣に)本当に感謝しています。その期待にもっと応えなくてはいけないと思っているので、今以上に頑張りたいです」と言葉を強めた。
開幕戦で森に手痛い一発を浴びた試合直後も「しっかり切り替えていきます」とまなじりを決していたが、「試練を与えてくれてありがとうございます」と感謝にも似た気持ちもあったのではないか。ちなみに2日のオリックス戦の9回、同校の先輩でもある宗に左前安打を許した。水谷監督には「次は宗さんを抑えます」と伝えたとか。「リベンジの機会を与えてくださって、ありがとうございます」と胸中で誓っているのだろう。(西武担当・秋本 正己)
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