森友哉に配球提案も…山下舜平大が堂々デビュー オリ新戦力躍動し2年連続の開幕勝利

ベースボールキング

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2023.4.1(土) 06:19

31日、開幕戦に先発したオリックスの山下舜平大[写真=北野正樹]

◆ 開幕戦でも緊張なし「カーブを使いましょう」

 オリックスの新しい戦力が躍動した。

 プロ初登板で開幕投手を任された3年目の山下舜平大は、6回途中84球、4安打7三振、1失点でマウンドを降りたが、3年連続3度目の開幕投手を務めた西武の9年目、髙橋光成に引けを取らない投球を見せた。

 155キロ前後のストレートとフォークボールで3回まで1安打。3回は一死から安打の走者を2つの暴投で三塁まで進めたが、1番・ペイトンをカーブで空振り三振、2番・マキノンは155キロの直球で左飛に打ち取り、ピンチを断った。

 「自分が作ったピンチ。絶対に抑えようと思いました」と振り返った山下。

 公式戦初登板が開幕戦。セレモニーも行われる独特の雰囲気で、しかも初めて立つ敵地のマウンド。それでも「緊張することなくうまく(ゲームに)入れた」というから肝が据わっている。

 2巡目からは、カーブでカウントを取るなど投球スタイルを変えたが、山下から捕手の森友哉に「カーブを使いましょう」と提案したというくらいだから、落ち着いたマウンドさばきに見えたのは当然だった。

 プロ2年目以上の一軍未登板の投手が開幕投手を務めたのは、史上初めて。勝ち星こそつかなかったが、次回の登板に大きな期待が膨らむ投球。

 「メチャクチャ良くもなく、悪くもなかった。オープン戦とやることは一緒。今日出た課題を一つずつつぶして、次の登板に向け準備をするだけ。やるしかない」と自信を胸に表情を引き締めた。


◆ 「よく打った」指揮官は打撃陣を評価

 野手陣では、育成4位入団で支配下登録されたばかりの新人・茶野篤政(徳島インディゴソックス)が、3回の初打席で三塁内野安打。育成入団1年目で開幕戦に先発出場するのも史上初の出来事だった。

 1点を追う5回は、2年目で「1番・遊撃」で出場の野口智哉が二死二塁から同点タイムリー。「前の2打席で三振していたので、走者を還すことだけを考えた」と声を弾ませた。

 試合を救ったのも新戦力。1点を追う9回二死走者なしから、森が同点本塁打。オープン戦では鋭い打球が正面を突く不運もあり打率が低迷。開幕前には「状態は悪くないが、早く(安打が)1本出てほしい」と話していたが、その1本が起死回生の一撃となり、延長10回、宗佑磨の決勝ソロにつながった。

 「(森は)よく打ちましたね。その前の3打席も感じは良かったし、欲しいなというところで打ってくれた。茶野も緊張したと思うがよく打った。宗も」と、粘って勝利を呼び込んだ打撃陣を評価した中嶋聡監督。

 山下については「ホントは勝ちをつけてあげたかった。初めての登板でいろいろ見えてくるものもあるし、これからの投球に期待できる内容だった」と、大舞台で期待通りの投球を見せた20歳の躍動に目を細めていた。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)


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