◆オープン戦　日本ハム２―１西武（１５日、エスコン）

　日本ハム・加藤貴之投手（３０）が１５日、西武戦で先発し、５回４８球で被安打１、無四球無失点と圧巻の投球を披露した。３０日・楽天戦（エスコン）で開幕投手を務める左腕は６種の変化球を自在に操り、今季実戦最長の５イニングを０封。開幕まで残り２登板となった中で、順調な仕上がりを証明した。チームは同点の９回に江越大賀外野手（３０）がサヨナラ適時打。新球場初勝利を挙げた。

　サラリと５回を投げ切った。０―０の５回２死。加藤貴は１５人目の打者・川越をカットボールで一ゴロに封じた。わずか４８球で無四球０封と完璧な投球を見せ「本番を想定して一人一人に向かっていった。思いどおりにコントロールできている」とうなずいた。

　らしさ全開だ。２回までは完全投球。３回先頭で初安打を許すも、続く柘植を低め直球で見逃し三振。１死一塁からは投ゴロをジャンピングスローで二塁に転送し、併殺を奪った。４、５回もストライク先行で西武打線を寄せ付けず、１５アウトでゴロ７、フライ６と打たせて取った。「野手のおかげでいい流れができた。どんどんゾーンで勝負できた」と昨季リーグ最少与四球（１１）を記録した精密機械ぶりを発揮した。

　６種の変化球で幻惑した。「配球は伏見さんに任せた」とチェンジアップ、最遅９２キロのカーブ、カット、シュート、スライダー、フォークをちりばめた。これまで割合の少なかったチェンジアップは３度決め球に。２回目のコンビとなった伏見は「僕が思ったようにやることで加藤の幅も広がると思った。結果も内容も良かった。ただ、テンポ早すぎてサイン出すの大変」と笑顔でたたえた。新庄剛志監督（５１）も「もうぜーんぜん心配してない」と改めて信頼を口にした。

　開幕戦まで残る登板はあと１回。「今いい状態なので。保っていけるよう努力したい」。２月の今季実戦初登板で２回まさかの２被弾だった左腕は、迫る３・３０へやはり照準を合わせてきた。（堀内　啓太）

　〇…石川はエスコン初登板で１回２奪三振０封。新球場初の“勝利投手”となった。同点の９回に登板し、最速１５１キロの直球とフォークを武器に３人斬り。直後のサヨナラ劇につなげた。「マウンドもすごく投げやすかったし、歓声もあって気持ちの部分も変わった。シーズン始まって１個目のセーブを取れるように準備していきたい」と表情を引き締めた。

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