【30人の侍】オリックス・宮城大弥「僕を雑巾のように使ってほしい」どこでも馬車馬のように働く

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2023.3.3(金) 05:30

キャッチボールする宮城大弥(カメラ・小林 泰斗)

 WBC日本代表のオリックス・宮城大弥投手(21)が、世界一奪還へ「何でも屋」を買って出た。本来の先発ではなく、主に第2先発として活躍が期待される左腕。チームのニーズに応えるため「僕を雑巾のように使ってほしい」と粉骨砕身の思いを明かした。栗山監督や師と仰ぐ能見篤史氏、同級生のロッテ・佐々木朗希(ロッテ)らへの思いを語り尽くした。(取材・構成=長田 亨)

 宮城は潔い覚悟を秘めていた。プロ入り後は経験がなくても、WBCでは第2先発を含め、リリーフ起用でも歓迎。世界一のために心身をすり減らし、馬車馬のように働く心意気を示した。

 「チームに貢献できる場所があるのなら、本当に雑巾みたいに使ってほしいです。投げさせてもらえるのなら、僕を使ってもらえるのなら。何としても力になりたいと思っています」

 自身の役目を雑巾に例えたように、強力メンバーが集う日本代表では身を粉にして戦っていく。

 「顔がこんなのですから…(笑い)。他の投手にアクシデントがあって『すぐ準備してくれ』となれば、すぐに準備します。便利屋みたいな感じで使ってほしいです。僕にとってマイナスなことは絶対にないので」

 WBCは初出場。興南3年だった19年のU18W杯以来となる国際大会だ。

 「当時はやっぱり、考え方が子どもだったと思います。自慢してやるぞ、という気持ちが強かったり。(今は)少し大人になって、責任とかをしっかり考えられるようになりました。選ばれなかった方々もたくさんおられる。一生懸命、腕を振ることしか考えていません」

 オリックスでは山本に続き、左のエース格として活躍してきた。成長を支えてくれた一人が昨季限りで現役を引退した能見篤史氏。侍ジャパンでは「13」を楽天・松井裕が背負うため、師匠がチームで背負った「26」も考えたが、最後は「29」を選んだ。

 「能見さんには『投げやりになるな』と言われて、その言葉をずっと大切にしています。背番号は能見さんと同じ26と29で迷いました。でも、いつまでも能見さんに付いていくわけにはいかない。(能見氏の引退は)寂しいですけど、僕の中で卒業しないといけない。いい意味で『脱・能見さん』ができると思って、29を選択させていただきました」

 ◆宮城 大弥(みやぎ・ひろや)2001年8月25日、沖縄・宜野湾市生まれ。21歳。少年野球「志真志ドラゴンズ」、中学は「宜野湾ポニーズ」でプレー。興南では1、2年夏に甲子園出場。3年時にU18日本代表に選出。19年ドラフト1位でオリックス入団。21年に13勝を挙げ、パ・リーグ新人王。171センチ、78キロ。左投左打。独身。推定年俸8000万円。

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