ロッテ若手野手陣が対外試合でアピール続く 山口「負けたくないのでみんなが打てば打ちたい」

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2023.2.28(火) 09:19

ロッテ・山口航輝 [写真=岩下雄太]

 ロッテの若手野手陣が、レギュラー、開幕一軍を目指し日々躍動している。

 特にここまでの対外試合で目立っている選手が1人ではなく、複数人いることがより競争意識を高めている印象だ。昨季チームトップの16本塁打を放ち今季30本塁打を目標に掲げる山口航輝は、15日のヤクルトとの練習試合で1試合に2本塁打を放つなど、ここまで対外試合10試合に出場して5本のアーチを描く。

 昨季オールスター明けに打率.283、7本塁打、32打点と山口、井上晴哉とともに打線を引っ張った安田尚憲も12日の楽天モンキーズ戦で『8番』で出場した以外は全て『4番・三塁』で出場。18日の楽天との練習試合から7試合連続安打中で、25日と26日の西武戦はいずれもマルチ安打をマークした。対外試合12試合に出場して、打率.400(35-14)、1本塁打、4打点と好調だ。

 昨季高卒1年目ながら一軍完走したものの打率.173だった松川虎生は、対外試合の打率は.438。昨季は反対方向への安打が多かったが、春季キャンプでの打撃練習でも引っ張りの打球が増え、対外試合でもレフト方向への当たりが多い。25日の西武戦では三塁ライン際に弾き返すレフトへの二塁打で出塁し、小川龍成の適時打で生還した。

 ショートのレギュラーを目指す茶谷健太は、対外試合初戦となった11日の楽天モンキーズとの国際交流試合、三塁の守備から途中出場し、9回の第2打席に「その前もいい感じで打てていたんですけど、捕られてしまったので、今度は返してやろうという気持ちで打席に立ちました」とライトへ適時打を放った。14日から始まったNPBとの対外試合でも、19日のヤクルトとの練習試合で3安打2打点の活躍を見せるなど、スタメン出場した試合は4試合全てで安打を放つ。

 大卒3年目の小川龍成もスタメン出場した16日と22日のDeNAとの練習試合は、いずれも猛打賞の活躍で、22日の練習試合では本塁打。さらに大卒ルーキーの友杉篤輝も、2試合でマルチ安打をマークするなど、“ショート”のレギュラーを争いに遅れを取らないよう、若手選手たちがバットで連日アピールしている。そこに中堅の年齢に差し掛かってきた藤岡裕大もバットで存在感を示しているので、ここまでは例年になくレベルの高い争いとなっている。

 「5年目は一つの区切りだと思うので、スタメンを勝ち取らないといけないと思いますし、後もないのでしっかり自分のやるべきことをやりたいと思います」と、レギュラー獲得を目指す藤原恭大は、ここ3試合無安打だが、19日のヤクルトとの練習試合で先頭打者ランニング本塁打を含む2安打、21日の広島との練習試合でも途中出場から本塁打を放った。

 高卒3年目の山本大斗は、2月22日のDeNAとの練習試合で、入江大生のストレートをバックスクリーンに直撃する豪快弾を放った。ここで紹介できなかった選手たちも、バットで結果を残している。山口は「みんな若いですし、負けたくないのでみんなが打てば打ちたいなと思います」と他の選手たちの活躍が刺激になっているという。またベンチの雰囲気についても「去年と違った雰囲気があると思いますし、明るくできていると思います」と明かした。

 今週末にはZOZOマリンスタジアムでのオープン戦が控えている。若手選手たちは宮崎遠征でも結果を残し、まずは3月のオープン戦へとステップを進めたいところだ。

▼ 主な若手選手の対外試合の打撃成績(※楽天モンキーズとの国際交流試合を含む)
松川 虎生 11試 率.438(16-7) 本0 点2
茶谷 健太 12試 率.423(26-11) 本0 点7
安田 尚憲 12試 率.400(35-14) 本1 点4
山口 航輝 10試 率.385(26-10) 本5 点8
小川 龍成 12試 率.345(29-10) 本1 点5
藤原 恭大 12試 率.323(31-10) 本2 点8
山本 大斗 12試 率.303(33-10) 本1 点3
池田 来翔 10試 率.259(27-7) 本1 点5
福田 光輝 12試 率.250(32-8) 本1 点6
佐藤都志也 12試 率.250(20-5) 本2 点3
友杉 篤輝 11試 率.240(25-6) 本0 点3
平沢 大河 12試 率.185(27-5) 本0 点1
植田 将太  8試 率.182(11-2) 本0 点0

取材・文=岩下雄太

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