◆オープン戦　日本ハム８―６阪神（２６日・名護）

　日本ハム・江越大賀外野手（２９）が２６日、古巣・阪神とのオープン戦で２安打２打点１盗塁と結果を残した。１回の守備から途中出場すると、第１打席は俊足を生かして内野安打、１点を追う７回には逆転の適時二塁打を放ち、同戦２連勝に貢献。新庄剛志監督（５１）の助言も胸に、ＯＰ戦２試合連続安打、打率４割２分９厘と外野のレギュラー争いに向けて猛アピールした。

　特別な思いでダイヤモンドを駆け巡った。４―５の７回１死一、二塁。江越は阪神のＫ・ケラーの低め１２１キロカーブを左翼線に運んだ。逆転の２点適時二塁打を放ち、送球間に三進。更に遊撃手の悪送球で一気に本塁まで生還した。「すごく気合が入っていた」という阪神戦。試合をひっくり返す一打に「うまく打てた」とうなずいた。

　球場中からの声援が力になった。初回の守備で中堅の浅間が負傷。緊急出場で「江越」の名がコールされると、阪神ファンから大歓声が沸いた。「鳥肌たったっす」。今オフ２対２のトレードで移籍。「正直タイガースの頃は他にすごい選手もいて、応援は…。でもトレードが決まってからすごく応援してもらって、何とか結果を出したかった」。初回の三塁内野安打、３回の盗塁と思う存分躍動した。

　助言も効いた。２５日の試合前、グラウンドに姿を見せた新庄監督は江越のもとへ直行。スイング時に右足を後ろに引きすぎる癖で目線やインパクトがブレていると指摘された。「それですごく感覚が良くなった」と楽天戦は１安打１打点。昨秋から徹底指導してきた指揮官も、この日の逆転打には「あれは捕手に俺が球種教えてくれって言ったの。それぐらい完璧に捉えたでしょ。あれでいい」と満足気に笑みを浮かべた。

　阪神では２０年から３年間無安打。苦渋を味わっただけに「３月のＯＰ戦、交流戦でも対戦するのでそこで活躍したい」と古巣への恩返しを誓う。「充実してあっという間だった」という沖縄キャンプは２７日で打ち上げ。まだまだ続くし烈なレギュラー争いへ「皆結果を出している。負けたくない」。プロ９年目。訪れた転機を、必ずものにする。（堀内　啓太）

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