【日本ハム】「谷口きゅんBALLPARK発」苦しんで打ち込んで結果出した人間だけが立てる開幕戦

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2023.2.11(土) 03:20

エスコンフィールドHOKKAIDOでポーズを取る谷口雄也氏(本人提供)

 先日、沖縄・名護のキャンプに行ってきました。今年は1日から紅白戦をやって、新庄監督の優勝しか目指さないというワードに、みんながその気になってできているかなど見てきました。短期間でしたが、現役時代を思い出しました。

 キャンプはオフにやってたことが合っていたかという答え合わせがずっと続いていくもの。準備してきたものがうまく出れば、そのまま調子の波に乗っていければ主軸になるだろうから。その中でもまずはけがをしないこと。僕は2017年のキャンプで右膝前十字やっちゃってるんで。キャンプ中にけがしたら4週間無理。そこは一番、大事なところになりますね。

 キャンプはみんなと数か月ぶりに野球ができる喜びはあるけど、内心はすごく、ナイーブというかデリケートというか、そんな1か月。いくら「自分のことをやるだけ」って思ってても、周りがまだ練習してるとやらないとという気持ちが出たり、他の選手がやってるなら、もう少しやらなきゃいけないなと思ったり。同じポジションの人間が対外試合で活躍したら「クソッ」と思うし。自分が活躍しても次また打たないと、次もまたいいプレーしないととかって思わないと。開幕スタメンとか目標に掲げてる人間は特に、気が抜けない1か月かなと思います。

 よく、ピークをどこに持っていくか聞かれましたが、そこは答えがない。人それぞれやり方がある。しっかり考えた上でちゃんと練習なり試合なりに臨めるのであれば、全然気にするところではないです。ただ、例えばキャンプ中盤から上げればとか思っていたら、絶対に上がってこない。そんなことしていいのは何年もレギュラー張っている人間くらい。たかが知れてる人間が、第1クールに試合あるけど、そこ100%じゃなくていいくらいの感じでいると、絶対上がってこられないから。

 降格もあるがうまく切り替えないと。ファームで頑張ってたら、オープン戦使ってもらえたりする。去年の松本剛がそうでしたよね。沖縄終わったあとにファーム行って。本人はすごく悔しかったと思うが、すぐ札幌に来て結果を出した。この1か月は評価も上下するもの。僕は14年、2月と3月にホームラン4本打って2軍スタートだった。そういうのは誰にでもある。そこでもっと打たないととか、もっと守れないととか、改めてプロ野球の厳しさが分かるのは貴重だと思います。

 キャンプが終わって、家に帰った時はうれしいけど「やっと終わった」と思うのは1分間ないくらい。そこからはガチで結果を残していかないといけないから。今年はいよいよエスコンだってなってくるんじゃないですか、3月は。誰が取るんでしょうね、エスコン行きの切符は。そうなるために苦しんで苦しんで野球に打ち込んできて、結果が出た人間が3月30日、グラウンドに立っている。開幕見たら僕、ウルッとすると思います、頑張ったなって。エスコンで輝くのは誰かを今から楽しみにしてます。

 ◆谷口 雄也(たにぐち・ゆうや)1992年6月1日、三重県生まれ。愛知・愛工大名電高から2010年ドラフト5位で日本ハムに入団。外野手として12年から通算272試合に出場。21年10月に現役引退を発表。通算打率2割4分1厘、7本塁打、42打点。今年1月、ファイターズスポーツ&エンターテイメントに入社。今企画のタイトルは現役時代の愛称「きゅん」から取っている。

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