【楽天】雑草ドラ1荘司康誠を支えた「信は力なり」…支配下ルーキー6選手随時紹介「若鷲チェック」
スポーツ報知
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2023.2.9(木) 03:35
楽天の沖縄・金武町キャンプは第2クールに入った。スポーツ報知では、昨年のドラフトで加入した新人支配下6選手を随時紹介する。第1回はドラフト1位の荘司康誠投手(22)=立大=。これまで味わった数々の挫折経験や、1年目の決意を明かした。(取材・構成=長井 毅)
キャンプ初日のブルペン。クリムゾンレッドの真っさらなユニホームに袖を通した荘司は「今日はすごくいい動きができた。感触的には今まででは一番よかった」と充実感に満ちた表情でこの日の33球を振り返った。
ロッテと2球団競合の末、プロの門をたたいた近未来のエース候補がこれまで歩んできたのはエリート街道ではなく、歩きにくい砂利道だった。
「野球に関してはあまりうまくいったことがない。中学の時はあまり試合に出られなかったですし、ずっと控え。投手もやっていなくて外野手でした。中学の時もけがが多かった」
小学2年から始まった野球人生。中学時代はマウンドに立つ機会もなかった。新潟明訓高では球速も130キロ台止まり。最後の夏も1回戦で涙をのんだ。立大でも1年冬に右肩を痛めた。負荷がかかる投球練習を続けていたため、疲労が蓄積し激痛が走った。病院では「インピンジメント症候群」(注)と診断された。
約10か月、満足いく投球ができず、もんもんとする日々を送っている中で「何か支えになる言葉はないかな」とネットで探した座右の銘が「信は力なり」だった。
「誰も助けてくれない。全部自分の責任になってしまうので、自分を信じてやっていかないといけない」
けがをすれば自己責任で、マウンドでも誰の助けも得られない。己を信じ抜くことがプロの道につながると、人生の指針に決めた。
懸命なリハビリに耐えてけがが癒えた大学3年時に頭角を現した。最速は157キロまで上昇。「エリートと呼ばれる人たちには負けたくないというのはありました」と反骨心を胸に一躍大学日本代表にも選出され、ドラ1にまで成長した。
ルーキーイヤーの目標は「開幕ローテと100投球回」。雑草から大輪の花を咲かせる新たな旅路が始まる。
(注)インピンジメント症候群 インピンジメントは「衝突」の意味を表す。肩関節を動かす際に、関節付近で他の骨や筋肉との衝突が生じることによって、組織の損傷が起こって痛みが生じる投球障害。野球、バレーボール、テニス選手などにも見られる。
〇…第2クール3日目の荘司はブルペンに入り、カットボールなどを交えて55球。「疲れも出てきたので7、8割くらいの力感で」とフォームを確認しながら投げ込んだ。順調にいけば次のクールにもシート打撃に登板する見込みだ。
◆荘司 康誠(しょうじ・こうせい)2000年10月13日、新潟市生まれ。22歳。東青山小時代に青山あらなみで野球を始め、小針中では新潟西シニアに在籍。新潟明訓高では甲子園出場なし。立大では3年春にリーグ戦初登板も、急成長し、大学日本代表に選出。最速157キロ。188センチ、86キロ。右投右打。
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