「結果を残すしかない」。再び支配下選手登録を目指すロッテ・古谷拓郎

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2023.2.8(水) 20:38

ロッテの古谷拓郎(撮影=岩下雄太)

 「前半、まっすぐはすごい良かった」

 しなやかな腕の振りから投げ込まれたロッテ・古谷拓郎のストレートは、小池翔大ブルペン捕手の構えたミットに寸分狂わず吸い込まれていく。古谷は8日、ブルペン入りし変化球を交えて31球を投げ込んだ。

 「右バッターのインコースというか、左バッターの外は得意ではなかったので、そのボールを投げ始めてから崩れたんですけど、全体的に考えれば良かったかなと思います」と振り返る。

 変化球はカーブ、チェンジアップ、スライダーなどを投げた。スライダーに関しては昨年の3月に「精度があまりよくないというのがあって、わざわざ使う必要がないという感じです」と実戦で投げていない時期もあったが、「今日は確認みたいな感じだったので、色々全部を投げてみてバランスを見てという感じでした」とスライダーも投じた。

 昨年のこの時期は投球フォームの安定性、再現性を求めてきたが、「今も同じなんですけど、より怪我しにくいフォームを重点的にこのオフシーズンは取り組んできました。それがしっくりくればいいなと思います」と話す。

◆ 昨季は故障に苦しむ

 昨年3月の取材で「この4年間で一番、自信もって取り組めているところが大きい。体的にも精神的にも今年が一番、自信がある年になるかなと思います」と話したように、開幕直後の4月10日の楽天との二軍戦で6回を1失点に抑えるなど好投を見せていた。「入りは良かったんですけど、そこからなかなか思うように投げられなかった」と、この登板を最後に肘と肩の故障によりファームでの公式戦の登板はなく、シーズンオフに育成選手契約となった。

 「怪我をしないでまずは投げ続けること。崖っぷちなので、やるしかない、結果を残すしかない。それだけですね」。

 育成選手となったが、ブルペンや練習の表情を見ると、自信を持って投げているように見える。「痛みなく投げられているので、そこが一ついいかなと思います」。

 1年目からファームで6勝を挙げ、2年目にはストレートのスピードが飛躍的にアップし一軍デビューを飾った。4年目の昨季は故障に苦しんだが、怪我なく投げられれば、他の若手投手陣と同じように期待値は大きい。21年の本前郁也、22年の佐藤奨真、小沼健太と、近年は育成選手が開幕前に練習試合、オープン戦で結果を残して、支配下選手登録を勝ち取った例もある。結果を残して、1日も早く二桁の背番号に戻りたいところ。そして、多くのマリーンズファンが待っているその先のプロ初勝利も達成して、今季こそ期待に応える投球を見せてほしい。

取材・文=岩下雄太

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