昨季ロッテの一塁手は全体の失策数が“1” 今季も高い守備力に期待
ベースボールキング
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2023.2.5(日) 09:34
ロッテ・井上晴哉 (C)Kyodo News
『1』。これは昨季ロッテの一塁手全体の失策数だ。他球団の一塁手全体の失策数を見ても、ロッテの一塁手の守備力の高さが光る。
▼ 一塁手の失策数
ロッテ 1失策
楽天 2失策
ソフトバンク 8失策
オリックス 9失策
西武 10失策
日本ハム 11失策
“1”というのも外野手登録で移籍後ファームでも一塁での出場がなく、一軍では2020年以来の一塁出場となった福田秀平の“1失策”のみ。昨季はゴールデン・グラブ賞の有資格者に当たる71試合以上出場した一塁手は0だったが、ロッテの一塁手は全体的に守備の上手い選手が多いことがわかる。
一塁で昨季チーム最多出場となる54試合に出場した井上晴哉は、21年10月に『右手関節三角繊維軟骨損傷に対しての関節鏡下にて縫合術』を行い、右手を手術した後の守備について昨年8月の取材では「結構体は動いていた。そんなに不安はないですし、意外にどっしりはしています」と話し、フェンス際の打球に対して怖さがあるか問うと「あるっちゃありますけど、試合が始まれば忘れちゃうので。試合前はもう1回再発したらどうしようとか思うんですけど、試合が始まったらボールに必死なので、そんなに深くは考えていないと思いますね」と明かしている。9月2日のオリックス戦では一塁側スタンド方向のファウルフライを背走し後ろ向きでキャッチすれば、9月15日の西武戦では森友哉(現オリックス)が放った一塁横のライナーをスライディングキャッチした。
昨季リーグトップの盗塁阻止率を記録した佐藤都志也は、一塁でも井上に次ぐ51試合に出場し一塁の守備でも何度もチームを救った。4月1日の西武戦では、1-0の6回無死一、二塁から鈴木将平の一塁へのバントにファースト・佐藤が猛チャージし、三塁へ送球しフォースアウト。1-0の7回無死走者なしから外崎修汰の三塁ゴロをサード・安田尚憲の一塁への送球が逸れるも、佐藤が足を伸ばして倒れこみながらキャッチ。さらに1-1の10回無死一、二塁から呉念庭のバントに、ゲレーロが投げる前からチャージする準備をしており、転がった瞬間に前進し打球処理しすぐさま三塁へ送球し二塁走者の源田がフォースアウト。その裏、ライトへサヨナラ犠飛を放ったということもあった。バント処理のチャージはシーズン通して早く、また一塁への早い牽制に対しても捕手ということもありしっかりと対応している印象を受けた。
外野手登録で「高校のときに少し守ったことがありますけど、そんなに甘くないですし、難しい。わからないことだらけなんですけど、やるからにはいっぱい練習したい」(21年2月取材)と、20年のフェニックス・リーグから一塁に挑戦する山口航輝は、一塁での守備が2年目となった昨季、44試合に出場して無失策。1つの守備のミスが勝敗を分けることもある守備固めという難しい役割で、三木亮も16試合に出場して失策がなかった。
守備力の高い選手が多いロッテの一塁手。今季も少ない失策数で、ゴールデン・グラブ賞を輩出する選手が出ることを期待する。
▼ ロッテ昨季の一塁手成績
井上晴哉 54試合 0失策
佐藤都志也 50試合 0失策
山口航輝 44試合 0失策
三木 亮 16試合 0失策
岡 大海 10試合 0失策
レアード 10試合 0失策
菅野剛士 6試合 0失策
福田光輝 5試合 0失策
安田尚憲 5試合 0失策
茶谷健太 2試合 0失策
平沢大河 1試合 0失策
福田秀平 1試合 1失策
取材・文=岩下雄太