【30人の侍】ソフトバンク・甲斐拓也「体がボロボロになっても、栗山監督のためであれば何とかしたい」

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2023.2.5(日) 06:00

確かな技術で侍ジャパンをけん引する甲斐(カメラ・谷口 健二)

 WBC日本代表を取り上げる「30人の侍」の第4回はソフトバンク・甲斐拓也捕手(30)。17年の初選出後、前任の稲葉ジャパンでは強化試合を含めてただ一人の“皆勤賞”だった「今、最も国際大会を知る男」は、今大会でも正捕手の最有力。栗山英樹監督(61)の「命をかける」という言葉に共鳴し、体を張って歴代最強の侍投手陣をまとめる覚悟だ。(取材・構成=中村 晃大)

 甲斐の侍でのキャリアが幕を開けたのはもう6年前。24歳以下の選手を主体に構成された17年秋の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」にオーバーエージ枠として出場し、侍デビューを飾った。以降、前任の稲葉篤紀監督から絶大な信頼を寄せられ、東京五輪までただ一人、全大会に招集され続けた。栗山監督も捕手では今大会唯一、先行発表で名前を呼んだ。

 「JAPANのユニホームに袖を通して野球ができること、日本を背負って戦えるということはものすごく光栄なことだし、これ以上ない経験になる。東京五輪も出て得たものは大きかった。もちろん重圧や不安はあるし、毎回、自分の実力はまだまだだと感じるけど、そういった場に一人の野球選手として出られることはこれ以上ないものだと捉えている」

 昨年11月の強化試合、豪州戦を通じ、栗山監督の野球観にも触れた。その中で驚いたのが指揮官の壮絶な覚悟。今回も招集を告げる電話で「日本の野球のために力を貸してほしい」と頼まれた。甲斐自身もそれ相応の覚悟ができている。

 「『俺は野球に命をかけている。命をかけて戦うんだ』と。その言葉にはものすごく衝撃を受けたし、栗山監督の熱い思いは直接聞いているので。たとえ体がボロボロになっても、栗山監督のためであれば、身を削ってでも何とかしたいという思いは強い」

 “甲斐キャノン”と称される世界基準の鉄砲肩。千賀のお化けフォークを幾度となく止めてきたブロッキング技術。「キャッチャーコーチ」の肩書で活動するプロ未経験の緑川大陸(ひろむ)氏(31)に教えを請い、今オフはきわどいコースをストライクに見せるフレーミング技術も磨いてきた。

 「チームの勝ちにつながる守備が自分自身に求められているのかな。五輪でもそうだったが、楽な試合は一つもないので。最後まで諦めずにチーム一丸で戦った結果、最終的に勝てた試合がほとんどだった。その姿こそ、日本の強みだと思う」

 大谷(エンゼルス)、ダルビッシュ(パドレス)とメジャーの主戦投手も参加する今大会。昨季限りで引退したモリーナ(カージナルス、現プエルトリコ代表監督)に憧れる日本の正捕手が、史上最強の呼び声高い投手陣をまとめる。

 「正直、楽しみとかはない。怖いですよ。そもそも(2人の)ボール捕れるかなとか(笑い)。まだリードまで考える余裕はないけど、組むのであれば、自分の技術を上げていい投球をしてもらえるように準備したい」

 もう一つ、絶対に勝ちたい理由がある。メジャー移籍1年目の千賀がWBC出場を断念。米国での準決勝、決勝を前に投手2人の入れ替えも可能だったが、本人からも出場を見送る旨を伝えられた。10年育成ドラフト同期の親友の思いも背負い、大舞台に臨む。

 「一緒に出られたら一番良かったし、千賀自身も出たかったとは思うけど、そこに関しては僕も知らないようなことがあると思うので。千賀は『本当に応援してる。頑張ってほしい』と。その分まで世界一を取れるように戦いたい」

 ◆甲斐 拓也(かい・たくや)1992年11月5日、大分市生まれ。30歳。楊志館から2010年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。13年11月に支配下登録された。昨季は130試合で打率1割8分、1本塁打、27打点。17年から6年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞した。通算765試合で打率2割2分1厘、47本塁打、203打点。19年プレミア12、21年東京五輪で日本代表。170センチ、87キロ。右投右打。今季年俸2億1000万円。

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