【30人の侍】楽天・松井裕樹「どこでも、何度でも、何球でも投げられるように」 WBCへフル回転宣言

スポーツ報知

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2023.2.4(土) 06:00

ノックを受ける松井裕樹(左は田中将大、右は辛島航)(カメラ・池内 雅彦)

 第5回WBCに出場する侍ジャパンのメンバーを特集する「30人の侍」の第3回は楽天・松井裕樹投手(27)。救援唯一の左腕は守護神候補の一人として「言われたところはどこでもやる」とフル回転を約束。登板全試合無失点を目標に掲げた。(取材・構成=内藤 菜月、長井 毅)

 2大会連続でつかんだ大舞台への切符。栗山監督の「世界一のために力を貸してくれるか」の言葉に、松井は表情を引き締めた。楽天不動の守護神も、侍ジャパンでは指揮官の駒の一つとして“何でも屋”に徹する。

 「本当にどこでも、何度でも、何球でも投げられるように準備をして“雑”に使ってもらいたいです」

 背番号は中日で通算407セーブを挙げた岩瀬仁紀氏が現役時代につけていた「13」を選んだ。

 「岩瀬さんのイメージは鉄腕ですよね。あれだけ長く中継ぎ、クローザーとして投げ続けるすごさ。やばいです」

 NPB最多1002登板を誇る「憧れ」のレジェンドのような圧倒的存在感を左の救援エースとして放つ。巨人・大勢、広島・栗林らとともにクローザー候補に挙がるが、ポジションにこだわりはない。あるのは最善の準備をしてマウンドに立つ心構えだけだ。

 「言われたところはどこでもやります。どこで投げてもゼロで抑えなきゃいけないですし、そこは変わらない。他の選手もそう思っていると思う」

 15年の「プレミア12」の準決勝・韓国戦では敗戦につながる押し出しを与えるなど苦い経験もした(※)。今でもあのシーンを蒸し返され批判されることもあるが、圧倒的な投球で雑音をかき消す。

 「どこでもマウンドに上がった瞬間には100%の投球ができるような準備をしていかないといけない。あの時と今の僕とで同じことをやっていては意味がない。あの時とは違う自分が出せると思うし、そのために時間を過ごしてきたのでそこでいい結果を出したい」

 前回大会は最年少の21歳で出場。3試合に登板し、2回2/3を無失点に抑えたものの、重要な局面は任せてもらえなかった。一方で今回は試合終盤のしびれる状況での投入が予想されるが、全試合でスコアボードに「0」を刻む。

 「オープン戦から始まってシーズンでも常に『1点もやりたくない』っていう思いは全員持ってるでしょうし、それが当たり前だと思う。マウンドにいる間はランナーをかえさないというのは常に思っていること。それがどこで投げたか、どのユニホームを着て投げたからといって考えが変わることはないです」

 2児のパパとしても格好いい姿を家族に見せる。20年に生まれた長女は今年の春に3歳を迎える。父親が野球選手だということも理解し始めた。手あかでテレビ画面が汚れるため「パパがマウンドにいる時だけテレビに直接触って応援できる」というのが杏奈夫人と決めたルールだという。

 「シーズンでもそうですけどWBCでもたくさん投げたいんで、(登板の度に)うちのテレビをたくさん汚してほしいですね」

 一番身近で支えてくれる妻、愛する我が子の首に金メダルをかける日を夢に描きながら決戦の地へと向かう。

 ◆松井 裕樹(まつい・ゆうき)1995年10月30日、横浜市生まれ。27歳。桐光学園では2012年夏の甲子園に出場し、1回戦・今治西(愛媛)戦で大会新となる22奪三振を記録。13年ドラフト1位で楽天入り。昨季は53登板で32セーブ、防御率1・92。15年プレミア12、17年WBCで侍ジャパン選出。家族は妻で女優の石橋杏奈との間に1男1女。今季推定年俸2億5000万円。

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