ロッテの佐々木朗希投手（２１）が石垣島で４年目のキャンプインを迎える。３１日の全体ミーティングでは、吉井理人監督から科学者アインシュタインの言葉を引き合いに、「トライすること」の重要性を説かれた。右腕がさっそく「トライ」する姿を担当の小田原実穂記者が「見た」。

　吉井監督から指名されると、油断していたのか、朗希の表情が緩んだ。練習前、室内練習場で行われた全体ミーティングで今季のスローガン「今日をチャンスに変える。」が発表された。数人の選手が指名され、スローガンをどう感じたのか、説明を求められた。朗希は「いろいろな機会を持てると思うので、それをチャンスにできるようにすることだと思います」と回答した。

　指揮官はスローガンに加え、次のように説いた。「『何かを学ぶには自分で体験する以上にいい方法はない』ということ。とにかくトライしてみて下さい」。自身が中学時代から影響を受けていたアインシュタインの言葉を引用し「失敗を恐れてトライしないのが一番カッコ悪い。失敗しなくなるように、失敗していろんなことを覚えておいてほしい」と語りかけたのだ。

　朗希はさっそく「トライ」した。石垣島での初練習。ＷＢＣ使用球で、１００球以上のキャッチボール。最長で約６０メートルまで広げ、最後は１８・４４メートルに縮めて約２０球投げた。滑りやすい球にグラウンドの土をもみ込み、ロージンをたっぷり使ってベストの感触を探した。

　本人の取材対応はなかったが、ボールを受けた味園ブルペンキャッチャーも「見ての通りすばらしいボール」と太鼓判を押した。ＷＢＣという未知の挑戦が控える。どんなトライをし、どんな記憶を刻んでいくのか。（小田原　実穂）

　◆アルベルト・アインシュタイン　１８７９年ドイツ生まれの物理学者。１９０５年に「特殊相対性理論」など３つの論文を発表。２１年に光電効果の研究でノーベル物理学賞を受賞。５５年に７６歳で死去。２０世紀最高の科学者と称される。

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