【ロッテ】若手の壁になってくれ!ベテラン・井上晴哉の活躍に期待
ベースボールキング
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2023.1.21(土) 10:30
ロッテ・井上晴哉 (C)Kyodo News
ロッテは昨季、髙部瑛斗が盗塁王、リーグ2位の148安打をマークしレギュラーに定着すれば、佐藤都志也がリーグトップの盗塁阻止率、山口航輝がチームトップの16本塁打、安田尚憲もオールスター明けはレギュラーとして活躍するなど、若手選手が少しずつではるが芽を出し始めている。世代交代が進んでいく中で、中堅、ベテランの活躍は必要不可欠。ロッテは昨季チーム本塁打リーグ5位の97本塁打と、長打力を課題にしている中で、井上晴哉の意地にも期待したいところだ。
井上は18年と19年に2年連続24本塁打をマーク。本拠地をZOZOマリンスタジアムに移転した92年以降、日本人選手で複数回シーズン20本塁打を放ったことがあるのは井上と初芝清氏の2人しかいない。近年は故障や打撃不振で、不本意な成績に終わっているが、日本人選手で長打を打てる選手の一人だ。
昨季は21年10月に『右手関節三角繊維軟骨損傷に対しての関節鏡下にて縫合術』を行った影響で、開幕はファームスタート。6月14日の西武との二軍戦で実戦復帰を果たすと、7月6日に一軍昇格。同日の日本ハム戦に『5番・一塁』でスタメン出場し、0打数0安打1打点3四球を選ぶと、7月9日のオリックス戦で山本由伸から昨季初安打、7月17日のソフトバンク戦で第1号本塁打を放った。
7月25日にPCRの検査の結果、新型コロナウイルス陽性判定を受け離脱。「怪我もあってリハビリもあって、明けてコロナもあったり自分的にはすごいガッといきたいところだったんですけど、いけないところもあったりした」と、すぐに復帰を果たすも当たりが止まり、若手選手にスタメンを譲る機会もあった。8月24日の西武戦で2-2の7回二死一、二塁の第4打席、隅田知一郎が投じた初球のストレートを振り抜き、左中間を破る決勝の2点適時二塁打を放つと、28日の楽天戦では本塁打を含む2安打と、徐々に調子を取り戻していく。
9月に入ると1日のソフトバンク戦で2回に第4号ソロ、3回に2点適時二塁打と2安打3打点、7日の西武戦でも本塁打を含む3安打3打点の大暴れ。8日の日本ハム戦では、1-0の7回一死走者なしの第3打席、北山に簡単に2球で追い込まれるも、ボール3つ見極め、ファウルを挟んだ後、7球目の高め150ストレートを見送り四球で出塁。さらに14日の日本ハム戦では、1-1の5回二死一、三塁の第3打席、2打席連続三振に倒れていたアンダースローの鈴木が2ボール2ストライクから投じた5球目のスライダーをレフト前に弾き返す決勝の適時打を放った。井上は9月、月間打率.302(86-26)、4本塁打、19打点、得点圏打率は驚異の.550と抜群の勝負強さを誇った。
打撃もそうだが、一塁の守備には安定感があり、昨季は54試合に出場して失策は“0“。9月2日のオリックス戦では一塁側スタンド方向のファウルフライを背走し後ろ向きでキャッチすれば、9月15日の西武戦では森友哉(現オリックス)が放った一塁横のライナーをスライディングキャッチした。
右手を手術した後の守備について昨年8月の取材では「結構体は動いていた。そんなに不安はないですし、意外にどっしりはしています」と話し、フェンス際の打球に対して怖さがあるか問うと「あるっちゃありますけど、試合が始まれば忘れちゃうので。試合前はもう1回再発したらどうしようとか思うんですけど、試合が始まったらボールに必死なので、そんなに深くは考えていないと思いますね」と明かしている。
一塁の守備力は高く、攻撃面で昨年の9月のような打撃をシーズン通して披露できれば、非常に頼りになる。今季は2020年以来となる二桁本塁打、勝負強い打撃で打点を稼いで欲しい。
文=岩下雄太