ロッテ課題の左腕 使い方次第で好結果期待のメルセデス
ベースボールキング
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2023.1.17(火) 10:43
昨季まで巨人でプレーし今季からロッテでプレーするC.C.メルセデス
「千葉ロッテマリーンズの新しい監督、コーチ、チームメイト、スタッフ、そしてロッテマリーンズのファンの皆さんにお会いできることをとても楽しみにしています」。昨季まで巨人に所属していたC.C.メルセデスが、今季からロッテでプレーする。メルセデスは19年にシーズン自己最多の8勝を挙げ、巨人のリーグ優勝に貢献。20年以降は4勝、7勝、5勝と白星を積み重ねることができなかった。
試合序盤はリズム良くスイスイと抑えていたにも関わらず、試合中盤以降に突如崩れて失点する傾向があり、昨年9月3日の阪神戦では1-0の4回に一死走者なしから近本光司に同点の一発を食らうと、二死後、大山悠輔にレフト前に運ばれたところで降板ということもあった。
21年は17試合・86回を投げて、7勝5敗、防御率3.77だったが、同年6月25日のヤクルト戦から8月24日の広島戦にかけて5連勝するなど、中7日、中6日と登板間隔をきっちりと開けて投げていた8月までは、9試合・51回2/3を投げて7勝1敗、防御率2.61。9月以降は中6日での先発もあったが、中5日と登板間隔を短くなったときに打ち込まれるケースが増え、8試合・34回1/3を投げて0勝4敗、防御率5.50(9月以降の成績)。昨季は中6日できっちりと回った3・4月は5試合・30イニング、4勝0敗、防御率2.10だった。
また二死走者なしから打ちにいって安打で出塁するも、続く1番打者が打ち取られ、ベンチで休むことができず次のイニングに失点したこともあった。パ・リーグは指名打者制が採用されており投手は打席に立たないので、そういった心配をすることなく、投球に全集中できる。
課題はあるが、使い方次第で力を発揮しそうな予感だ。吉井理人監督は、メルセデスを獲得した際、球団を通じて「左の先発ピッチャーとして期待をしています」とコメントしたように、左の先発投手は現状計算のできるのが2年連続規定投球回に到達した小島和哉のみで、右、左のバランスを考えれば、メルセデスが1枚加わることはチームにとっても大きい。
さらに吉井監督は「日本で実績もありますし、リーグが変わることでさらに飛躍をしてくれるのではないかと思います」と期待を寄せる。過去にはネイサン・ミンチー、セス・グライシンガーなどセ・リーグの球団でプレーした選手がロッテに移籍し活躍した例もある。メルセデスは日本でのプレー経験は長いが、今年の3月で29歳と若い。「千葉は素晴らしい場所です。この街にチャンピオンシップをもたらすために一生懸命働きます」。中6日でテンポの良い投球で毎試合5回、6回を投げてくれれば、大きな戦力になる。
文=岩下雄太