楽天・松井裕樹投手（２７）が今オフにも米大リーグに挑戦する可能性があることが１２日、分かった。通算１９７セーブを誇るチームの絶対的守護神は、早ければ今季中に海外フリーエージェント（ＦＡ）権を取得する。既にメジャー球団のスカウトが左腕の調査を行っており、権利を行使すれば国内外の複数球団による争奪戦に発展しそうだ。

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　松井裕の特長は、現在のＭＬＢが求めるリリーバー像に見事に合致する。一般的に左投手は左打者を得意とし、右打者を苦手とする傾向があるが、松井裕の昨季被打率は対左１割８分６厘に対し、対右は８分８厘。トータルでも１割２分２厘と抜群だが、特に右打者は完璧に抑え込んでいる。

　ＮＰＢの救援左腕はワンポイント起用も多いが、ＭＬＢでは２０年から「救援投手は打者３人を打ち取るか、そのイニングを終了させなければならない」という規則ができた。左のリリーフは右打者を抑えられる能力が必須となっており、その点でうってつけの存在だ。

　救援投手のニーズも年々高まっている。ＮＰＢ以上に球数に厳格なＭＬＢは、先発投手が１００球をメドに降板するケースが多い。好投しても多くが６回か７回には交代するため、最低でも２人のセットアッパーとクローザー、計３人の強力なリリーバーを有することが勝利の条件。２１年世界一のブレーブスはマツェク、ミンターに守護神スミスと救援左腕３枚が、ポストシーズンで計３２登板。チーム１１勝中６勝、８ホールド、６セーブを挙げた。

　どの球団もパワーのある救援左腕を欲しており、打者の左右を問わずに結果を残してきた松井の存在は魅力的に映るだろう。

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