オリックスの新人８選手（育成含む）が１０日、大阪・舞洲の青濤館に入寮した。聖徳太子ゆかりの奈良県斑鳩（いかるが）町出身の最速１５１キロ左腕、ドラフト１位・曽谷龍平投手（２２）＝白鴎大＝は「生まれ育った町をアピールできるぐらい活躍したい」と誓いを立てた。

　マッコウクジラが迷い込んだ淀川河口から近い舞洲で、“オリの聖徳太子”が舞い降りた。「自分の町にある法隆寺が今年、（世界文化遺産登録から３０年の）節目の年で、自分も新たなプロ野球生活が始まる」。会見前には、故郷への思いをつづった資料を報道陣に配布する異例の行動。「地元とともに、自分もアピールしたい」。法隆寺で販売されている、「夢」と書かれた扇子を握りしめた。

　背番号１７は自身が希望したものだが「ご縁を感じています」。聖徳太子が制定した十七条憲法と同じ数字だ。「聖徳太子の『和の心』も全国に広がり、１７といえば曽谷と連想してもらえる選手になることを誓います」。元高校球児で斑鳩町役場に勤務する父・博一さんも「背番号１７に決まり、法隆寺の方にもすごく喜んでいただいた。斑鳩（いかるが）とスムーズに読んでもらえ、町のメッセンジャーになってほしい」と活躍を願った。

　配布した資料では、８歳時に書いた手紙「２０歳の自分へ」を披露。「プロ野球のチームはオリックスに入っています」と曽谷少年はすでに予言していた。１０人以上の話を一度に聞き分けるなど、超人的な伝説で知られる聖徳太子。「自分の力を出していきたい」と新人王を最初の夢に掲げた“オリの聖徳太子”も球史に名を残していく。（長田　亨）

　◆曽谷　龍平（そたに・りゅうへい）２０００年１１月３０日、奈良・斑鳩町生まれ。２２歳。斑鳩中では志貴ボーイズで全国８強。明桜（秋田）２年夏に控え投手として甲子園出場。白鴎大では３年春に関甲新リーグ最多奪三振、３年秋に優秀選手賞などを獲得。４年春に無安打無得点試合を達成し、７月のハーレム大会で大学日本代表。ドラフト１位でオリックス入団。１８２センチ、８０キロ。左投左打。年俸１６００万円。

関連ニュース

・【オリックス】新人８選手が入寮　ドラフト４位・杉沢龍は故・三沢光晴さんと“リングイン”「とてつもなくかっこいい」
・【オリックス】Ｔ―岡田、最後の「ナニワ四天王」としてプロでの「長寿」を目標に
・【オリックス】頓宮裕真「チーム熱男」で２０発宣言　「ルーチンとかをいろんな選手に聞きたい」
・【オリックス】宮城大弥、同学年・佐々木朗希に珍要求？「相手チームのファンを持っていかないで」
・【オリックス】宮城大弥、山本由伸に“口撃”　ＷＢＣメンバー先行発表に「ずるいな」