選手に“自主性”を求めるロッテ “差”がつく自主トレ期間
ベースボールキング
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2023.1.4(水) 10:50
ロッテの吉井理人監督[撮影=岩下雄太]
1月4日。正月休みも終わり、今日から仕事始めという社会人も多いのではないだろうか。プロ野球界に目を向けると、2月1日の春季キャンプまで1カ月を切った。キャンプインに向けて選手たちも、さらに練習の強度が上がってくることが予想される。ロッテでいえば、今季から吉井理人監督が就任し“選手の自主性”について口にすることが多い。吉井監督は就任会見で、「我々はプロ野球なので、みんなプロフェッショナルになってもらいたいと思っていて、自分の頭でしっかり考え、自分の責任のもとに行動してそれが勝利につながる選手になってもらいたいと考えている」と“プロとしての責任”、“自覚”を求めた。
秋季練習が終わればシーズンオフを迎えることもあり、厳しい練習を課す球団も多い。昨年10月に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習では、フェニックス・リーグ組が戻ってきた11月以降は自分自身で考えて目的意識を持って練習を取り組むよう、打撃廻りも希望性で行われていた。打撃廻りの間、日によってはひたすらロングティーを行っている選手もいれば、守備を磨いている選手もいた。選手の自主性で練習は行っているが、間違った方向に進まないよう、都度打撃練習や守備練習でコーチ陣が、アドバイスを送る場面も見られた。
2月1日から石垣島で行われる春季キャンプでも、吉井監督は球団を通じて「チームプレーはしっかりと行いますが、実技の練習に関しては個別の時間を多めに設定して、自主的に取り組んでもらおうと考えています。選手は自分自身で足りない部分はなにか、伸ばさないといけないことはなにか、そのためにどのような練習が必要かを考えてもらい、練習に取り組んでもらいながら個々のレベルアップ、そしてチーム力を上げていきたいと考えています」と秋季練習から引き続き選手たちの自主性を促すキャンプとなりそうだ。
“自主性”に重点を置くということは、自分の足りないところを補ったり、自分の長所などを考えて練習ができる選手は自分の練習に充てる時間が増え、大きなメリットになる。結果が全てなので結果を残せれば問題ないが、“自主性”の意味を履き違えて、今やるべきこと、必要なことを理解せず、間違えた方向に進んでしまった選手(間違えた方向に進まないよう春季キャンプではコーチ陣も指示を送ると思うが…)、何も考えず練習をこなしている選手は、取り残される可能性が高い。“自主性”を促すということは、首脳陣が考えた猛練習で鍛えるよりも実はシビアで厳しい。もちろんプロでの経験が少ない若手選手は、プロで戦う体力、技術を身につけるため長時間の練習は必要だが。
春季キャンプだけでなく、自主トレでも同じことがいえる。自主トレからある程度自分で考えて、追い込んでいける選手は、自主トレから継続してきていることを春季キャンプの個別練習で補足していけばいい。春季キャンプではコーチ陣、裏方スタッフが多くいるのだから、自分が考えていること、取り組んでいることを伝えチェックポイントを見てもらうこともできる。反対に自主トレで何も考えずに練習しているだけでは、“自主性”を重んじる春季キャンプにおいて、考えて練習している選手とそうでない選手との間に大きな差が生まれるのではないだろうか。特に経験の少ない若手選手たちは、自主トレーニングから春季キャンプの“個別練習”が始まっていると思って、しっかりと考えて練習していく必要がありそうだ。
文=岩下雄太