
ユニホームを脱ぎ、第二の人生へ新たな一歩を踏み出した野球人を紹介する「去る人」パ・リーグ編。日本ハム・杉谷拳士氏は4月に会社登記を予定しており、本格的にスポーツビジネスなどの経営者へ転身する。「引退試合」ならぬ「前進試合」と称した昨年11月5日・侍ジャパン戦の翌日から、起業の準備もあってほぼ無休だ。
「新しい世界ばかりで、毎日わくわくしています。パソコン作業もリモート会議も。ごあいさつのときも服装から違いますし、新鮮にやらせてもらっています」
14年間の現役生活。自分なりの恩返しの道を、経営者と決めた。取引先との会議では、これまで聞き慣れなかった言葉も並ぶ。
「一つ一つの言葉が難しい。『ブレスト(一つのテーマにアイデアを出し合うこと)でいけますか』と言われた時に『え?』って。『すみません、ブレストってなんですか』と全部聞いています」
昨年12月22日からはウィンターリーグ参加などで縁があるオーストラリアへ渡り、感謝を伝えて回った。
「5年、10年、20年たって、野球選手を終えてからの経営者は誰だとなったときに『杉谷は独立してこういうことをやってるよね』となるように、中長期的に見て会社をやらないといけない」。希望に満ちた第二の人生を、明るく彩る。(田中 哲)