【日本ハム】伊藤大海が23年の誓い…エスコンフィールド北海道での「日本一」と「沢村賞」

スポーツ報知

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2023.1.1(日) 05:55

ダルビッシュ有と大谷翔平の壁画の前で23年を最高の年にすると誓った日本ハム・伊藤(カメラ・今成 良輔)報知

 北海道日本ハムファイターズの伊藤大海投手(25)が365日を有効活用し、2023年を最高の年とする。鹿部町出身の道産子右腕は、新球場「エスコンフィールド北海道」でのVと、シーズンで最も活躍した先発投手に贈られる「沢村賞」の受賞を目標に掲げた。グラウンド外でも積極的にSNSを活用しての情報発信を継続と、ファンとの交流で得た活力を胸に、3年目の更なる飛躍を図る。(取材・構成=砂田 秀人)

 1年目、2年目と10勝を挙げて迎える今季。堂々の成績を残してきた中も、より高みを伊藤が見据えた。

 「昨年は何とか数字上では持ちこたえた感はありますけど、内容的には全然。前の年の疲れが全然抜けてない状態で前半を過ごして、いろんなことの難しさを改めて感じた。一番は空振りを取れなかったのがしんどかったし、そこはもっと突き詰めて、結果を出し続けるためにどうするかというのを考えなきゃいけない」

 3月にはWBCが控える。21年東京五輪の金メダルメンバーだった伊藤が、再び日の丸を背負う可能性はある。出場を表明している中には、憧れの存在でもあるダルビッシュ有や大谷翔平がいる。選出されれば3人のリレーもあり得る。

 「そうなったら道民は大騒ぎでしょうね、もう夢のような。当事者ってそんなことも考えてる暇もないですけど(笑い)。ただそんなことも言ってられない。勝つためなんで。ダルビッシュさんは支配感というか、その場を完全に支配してたので。全体的な存在感というのは、まねしようと思ってまねできるものではない。積み上げてきたものもそうですし、周りがそうさせてくるとも思うので。僕もまずはそう思ってもらえるようになりたいなと」

 先輩2人は日本ハムで飛躍し、メジャーを代表する選手になった。先輩の上沢直之は今オフのメジャー挑戦を表明している。伊藤もアメリカへの思いはあるが、進むべき道は明確にある。

 「お二人の存在は圧倒的だったと思いますし、満場一致のエースだと思っているので。そういう選手に時間がかかってでもなりたいなと。メジャーも意識しないことはないけど、お二人とも優勝してから行ってるんで。僕も優勝してからしか考えていない。僕、キャリアの中で日本一っていうのがないので。日本一は絶対取りたいなと、ファイターズで新球場で。いろいろ考えるところもありますけど、北海道出身で北海道のチームに入ることができたので。そこで貫くのもかっこいいなとも思ってますしね」

 悲願達成のために掲げた目標は沢村賞。エスコンフィールド北海道に本拠地が変わる今年、先発投手にとって最高栄誉の獲得を、自身に課した。

 「北海道出身で新球場に携わることができる。(札幌出身の)今川(優馬)さんとも話したけど、運命的なものもあると思うし、それだけの責務が僕らにはあると思う。新球場で強いファイターズを取り戻す、その主軸としてやっていけたら。スタートって、すごいインパクト残ると思うので。そこに何かを残したいので、沢村賞を目標にしました」

 マウンドだけでなく、休日も”有効活用“してきた。

 「オフは北海道だったら釣りに行ってることが多い。どこでも行きますが海でアイナメ、ヒラメ狙い。基本的にはリリースで。ヒラメは持って帰ることもあるけど自分でさばいて食べますよ。実家が漁師なので。釣りの時は野球のことは一切考えない。遊びって感覚じゃないので、携帯とかも電源切って。大学から大会とか出てたので、本当、ガチの釣り。たぶん釣りだけで、他の人の趣味の3つ分よりお金使っちゃってる。釣りは釣りでめちゃめちゃ疲れるんですけど、それがリフレッシュになってるかな」

 シーズン中も積極的にSNSで情報発信をしてきた。

 「やっぱりファンの皆さんに喜んでもらえるのがうれしい。いろんなことを吸収できるし。僕は何気ない一言とかで変われた側の人間なので。僕が多くを発信することによって、その言葉が誰かに引っ掛かるかもしれないと思ったら、やらない理由の方がないのかなと思っている」

 その根底にあるのが駒大苫小牧高時代、当時副部長だった高野智充現部長からの言葉だった。

 「高野先生から『誰よりもひたむきで一生懸命であること』っていうのは、ずっと言われてたので。それはすごい大事にしてますね。その言葉の意味はプロになったからといって変わることはないし、野球に対しての思いも変わらない。そういう言葉をすごい大切にしてきた。自分も色んな言葉を発信していけば、誰かに届くかな? みたいな気持ちでやってます」

 3年目の今年も多忙な日々となりそうだが、伊藤は笑ってこう締めくくった。

 「暇よりいいかなと。何かしてる方が、まだ、生きてる感じがするんで」

 初心を忘れず、どんなことにも日々、全力を尽くす。3年目の今年も、ぶれずに信念を貫き、伊藤が最良の結果を追い求めていく。

 ◆伊藤 大海(いとう・ひろみ)1997年8月31日、鹿部町生まれ。25歳。小2で野球を始める。鹿部中から駒大苫小牧高に進み、2年春の甲子園1回戦で完封勝利。16年に駒大入学も同年秋に退学し、翌年に苫小牧駒大(現北洋大)に入学。20年ドラフト1位で日本ハムに入団。21年は10勝9敗で防御率2・90。昨年は10勝9敗1セーブ、防御率2・95。21年東京五輪では3試合全て救援で5イニングを投げ無失点。準決勝の韓国戦では勝ち投手となった。176センチ、82キロ。右投左打。家族は両親、姉、弟。背番号17。推定年俸8500万円。

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