ロッテ、最後まで苦労した“勝利の方程式” OB・清水直行さん「毎年変わっていい」

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2022.12.14(水) 11:00

ロッテの選手たち (C) Kyodo News

 ロッテは昨季、開幕直後に守護神・益田直也につなぐリリーフの部分で苦労したが、東京五輪明けから7回・国吉佑樹、8回・佐々木千隼、9回・益田という勝ちパターンを確立し、2年連続2位入りを果たした。しかし今季は勝利の方程式の形が見えてきたところで、東條大樹、小野郁らが新型コロナウイルス陽性判定を受け離脱し、抑えもシーズン途中に益田からオスナに変更されるなど、最後まで勝利の方程式を固定することができなかった。

 ロッテOBの清水直行さんに“8つのテーマ”でロッテ投手陣について語ってもらう第5回のテーマは「勝利の方程式」。

 近年のロッテは20年が唐川侑己、澤村拓一、ハーマン、益田、21年が国吉、佐々木千、益田など毎年のように勝ちパターンが変わっている。

 清水さんは「勝利の方程式は毎年変わっていいと思っているんですよ。逆に変わっていかないと選手の突き上げがない」と話す。

 「MLBは良い選手を獲ってきてパーツとしてハメ込んで、使えないと思ったら新しい選手を獲ってくるじゃないですか。一方で日本の野球は、若いうちから教育して育ててというのが根付いている。そこが日本とアメリカの大きな違い。ただ日本は勝利の方程式が3、4年続いて欲しいと願っていますが、いつでも入れ替われる選手を常に作っておかないといけない。その時に一気に代えるのではなく、徐々にうまく変換していけるのがチームだと思いますし編成だと思うんですよ」。

 「他の球団は停滞期をうまくやりくりしている。優勝、目先の1勝を目指して変わらない人間でやっていくのか、中長期的に育てていくには順位はAクラスなんだけど、どの年に優勝を狙っていくのかというプランがマリーンズにはないと思っています。せっかく2025年までに常勝軍団という目標ができたので、ある程度中長期的なところに向かって戦っていかないと、本当に強いチームは出来上がらないと思いますし、その作り方すら学べないと思うんですよ。そういう意味ではブルペンは結構難しいので、早くこの投手を使っていこうという若手を見つけないと」。

 40試合以上登板したリリーフを見ても益田、東條大樹、ゲレーロは30代で、20代は26歳の小野郁のみ。37試合に登板した西野勇士も来年の3月で32歳と、リリーフ陣の世代交代は必要だ。

 それを踏まえて清水さんは「リリーフを育てるんだったら、唐川を先発させたらいいのにと思いますね」と、リリーフに配置転換となる前までは先発を務め、11年には12勝を挙げた実績もある唐川侑己を先発で起用しても良いのではないかと見ているようだ。「(唐川)侑己が先発で7、8個勝ってくれるような形で回せばいいのになとかね。いろいろ思っちゃいますね」。

 抑えを含めた勝利の方程式の確立、若手リリーフ陣の育成、さらには左のリリーフと課題は多い。

取材・文=岩下雄太

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