「吹田に行こうかな」…オリックス・山﨑颯一郎は1000万円増で更改

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2022.12.7(水) 18:30

来季の目標を掲げ笑顔の山﨑颯一郎 [写真=北野正樹]

◆ 肩の不調が転機に

 オリックスの山﨑颯一郎投手(24)が7日、契約更改交渉に臨み、1000万円増の2300万円(※金額は推定)でサインした。

 プロ6年目の今季は開幕3戦目の先発を任されるなど、序盤から大きな期待を受けたが、結果を残すことができずに二軍落ち。さらには肩のコンディション不良にも悩まされた中、復活を遂げた終盤戦は貴重なリリーフとしてチームのリーグ連覇と日本一に貢献した。


 「後半しか活躍していないので、ありがたい評価」と感謝の気持ちを述べた山﨑。

 二軍落ちの後、肩の故障で3カ月もの長い間登板から遠ざかったが、ノースローの3週間で「イチから体を作り直そう」とトレーニングに取り組み、パワーアップを果たして球速も増して帰ってきた。

 本人も「昨年は空振りを取れなかった直球で空振りが取れるようになって自信がついた」と振り返り、離脱の期間が大きなポイントとなったという。

 クライマックスシリーズでは最速160キロも計測したが、「スピードを出そうとは思っていなかったが、(大事な試合という)場面と投げ方が良かった。何球でも投げ続けられるようにしたい」とコメント。

 「球速はトレーニングをして一番(効果が)わかりやすい」とも語り、今後に向けては「12月は筋力をアップして体を大きくし、1月に瞬発力をつけたい」とさらなるパワーアップを誓った。


◆ 「警察に捕まるので…」

 山﨑といえば、今秋の日本シリーズでの好投によって、2年前のファンフェスタで扮した上裸にエプロン姿の“吹田の主婦”が再燃。大きな話題を呼んだ。

 今年11月に行われたファンフェスタでも“吹田の主婦”の登場がファンを沸かせ、さらには吹田市のイメージキャラクターである『すいたん』から、吹田市を話題にしてくれたということで感謝の言葉を贈られるシーンもあった。


 ところが、吹田市にはまだ行ったことがないという山﨑。

 「“吹田の主婦”をやらせてもらっているのに申し訳ない。時間を作っていくしかないでしょ」とし、オフの間の訪問を約束。ただし、「(警察に)捕まるので、服は着ていきます(笑)」とオシャレをして足を運ぶという。


 来季の起用法は未定だが、本人は「中継ぎではないですか」という。

 「以前から先発しかしてこなかったので、言われたらするつもりはあるし、機会があればしたいが、どちらを言われてもする準備はしている」と語り、7年目に向けて意気込んだ。





◆ 阿部が大幅増、平野は大台到達へ決意新た

 この日は山﨑とともにブルペンを支えた阿部翔太投手(30)も契約更改交渉に臨み、3170万円増の4000万円で更改。プロ2年目の今季は中継ぎ・抑えとして44試合に登板。1勝3セーブ、防御率0.61の好成績でチームに貢献した。

 球団からは「苦しい場面で投げてもらって、阿部がいなければ日本一になっていたかどうかわからない」と労いの声を掛けてもらったという。

 飛躍の要因に挙げたのは、“悔しい思いを持って臨んだ”こと。「即戦力で獲ってもらいながら、昨年は何も貢献できなかった。(近藤)大亮さんと『来年活躍して見返そう』と励まし合いながら苦しいトレーニングを続けてきた。しんどくて1人では出来なかった」と、一緒に再起を目指した近藤への感謝も述べた。


 同じくブルペンを支えた一人、平野佳寿投手(38)は2000万円増の2億2000万円プラス出来高で、年俸変動制の2年契約でサイン。

 「連覇だが、今年の優勝はチームに底力がついたことに加え、昨季がビギナーズラックでないことを証明できたことから、昨年よりうれしかった」と昨年との違いについて挙げたベテラン右腕。

 「後半はコロナで思うようなコンディションを保てなかったが、僕がコロナにかからず最後まで投げていたら、優勝できたかどうかわからない。僕が崩れたことで若い投手が出てきて、結果としてチームの底上げになり、チームが強くなったことがうれしかった」と、若手の台頭を喜んだ。

 日米通算250セーブまで、あと29。「入団した時には(名球会入りなどの)目標は立てていなかったが、近づいているのは励みになる。そこを通過点にするようなシーズンにしたい」と来季を見据えていた。


 新人の池田陵真選手(19)もこの日に契約更改を行い、50万円増の550万円で更改。

 一軍では6試合の出場にとどまったが、二軍では103試合に出場してリーグ6位の打率.239、4本塁打で32打点を記録。リーグトップの52四球を選ぶなど、打撃でアピールした今季を踏まえ、「来季は開幕一軍で、打撃でチームに貢献したい」と意気込んだ。

 また、大阪桐蔭高の先輩である森友哉の加入についても「(小柄で)同じタイプなのでいろいろ聞いてみたい」と対面を心待ちにしていた。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)




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