【オリックス】吉田正尚、メジャーでも1本塁打10万円「正尚基金」続ける覚悟…途上国子ども支援「モチベーションの一つ」
スポーツ報知
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2022.12.3(土) 05:00
プロ野球人の社会貢献活動を表彰する報知新聞社制定「第23回ゴールデンスピリット賞」を受賞したオリックス・吉田正尚外野手(29)が2日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで行われた表彰式に出席した。2019年から公式戦でのホームラン1本につき10万円などを、開発途上国で貧困に苦しむ子どもたちへ寄贈。今オフはポスティングシステムによる米大リーグ挑戦を目指しており、海の向こうでも「ホームラン基金」を継続することを誓った。
食い入るように画面を見つめた。吉田正が思いを受け止めた。「映像を見て(胸に)来るもの、感じるものがありました」。祝賀パーティーで流されたのはカンボジアやフィリピン、バングラデシュの子どもたちによるメッセージ動画。「ありがとう」の言葉に、活動の広がりを実感した。
19年から公式戦1本塁打につき10万円と、ファンからの募金を合わせて寄付金とし、認定NPO法人「国境なき子どもたち」を通じて開発途上国で貧困に苦しむ子どもたちへ寄贈。慈善活動をサポートしているNPO法人「ベースボール・レジェンド・ファウンデーション」(BLF)の協力もあり、4年間で総額は1000万円を超えた。
「入団当初から、社会貢献活動ができるようなプロ野球選手になりたいと思っていた」。活動初年度に自己最多の29本塁打。リーグ連覇、26年ぶりの日本一に貢献した今季まで85本塁打を積み重ねてきた。「小さい頃からの夢」と今オフ、ポスティングシステムによる米大リーグ挑戦。「引き続き、モチベーションの一つとして、このような支援ができればいいと思います」と活動継続を約束した。
基金のベースとなるのはホームラン。「打たなかったらヤバいですよね。違う寄付を考えます…」とはもちろん冗談だ。海の向こうでも美しいスイングから量産し、変わらずファンとともに歩んでいくのが理想。ゴールデンスピリット賞の手本となっているのが「ロベルト・クレメンテ賞」で「活動と実績の2つがないと取れない。一番の賞だと聞いています。いずれは…」と受賞も大目標とした。
コロナ禍が落ち着けば支援する国々を訪れ、文化や子どもたちとふれ合うことを本気で思い描いている。「来シーズン、これからの野球人生も、もっともっと高みを目指して頑張っていきたいと思います」。継続は力、有言実行。グラウンド内外の使命を双肩に乗せる。(長田 亨)
◆ゴールデンスピリット賞 日本のプロ野球球団に所属する人の中から、積極的に社会貢献活動を続けている人を表彰する。毎年1回選考委員会(委員名別掲)を開いて、球団推薦で選ばれた候補者から1人を選定する。社会貢献活動の表彰は米大リーグの「ロベルト・クレメンテ賞」が有名で、球界最高の賞として大リーガーの憧れの的になっている。日本では球場外の功績を評価する表彰制度は同賞が初めて。いわば「球場外のMVP」。受賞者にはゴールデントロフィー(東京芸術大学名誉教授・絹谷幸二氏作製のブロンズ像)と阿部雄二賞(100万円)が贈られる。また受賞者が指定する団体、施設などに報知新聞社が200万円を寄贈する。
◆吉田 正尚(よしだ・まさたか)1993年7月15日、福井県生まれ。29歳。敦賀気比高から青学大を経て、15年ドラフト1位でオリックス入団。20、21年に首位打者、今季は2年連続2度目の最高出塁率。ベストナイン5度。19年プレミア12、21年東京五輪で日本代表。通算成績は762試合で打率3割2分7厘、133本塁打、467打点。173センチ、85キロ。右投左打。年俸4億円。既婚。
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