楽天・辛島航投手（３２）が１日、仙台市内の球団事務所で契約交渉に臨み、４０００万円増の８０００万円で更改。新たに複数年契約を結んだ。６月に国内ＦＡ権を取得しており、宣言すれば他球団との争奪戦に発展する可能性もあったが、「このチームでもう一度優勝して日本一になりたい」と“楽天愛”を貫き、残留を決断した。

　昨季は左肘のクリーニング手術の影響で２０１１年以来１０年ぶりに１軍登板なしに終わった。巻き返しを期していた今季は交流戦で１軍昇格。１７試合に先発し６勝４敗、防御率３・４０とベテランらしい安定感のある投球を披露した。「去年が全く投げられないシーズンだったので、登板すること自体が僕にとってプラス。何事もプラスに考えて取り組めた１年だったかなと思います」と言葉に充実感をにじませた。

　来季は開幕ローテ争いがこれまで以上に厳しいものとなるが「譲らない？　みんなもそう思っているだろうし、自分もそのつもりでやる」と言い切った。「来年は最初から最後まで一つずつ積み上げて今年以上の成績を残せれば」。キャリアハイは１９年の９勝。球団左腕初の２ケタ勝利の期待が辛島の肩にかかる。

（長井　毅）

　〇…安楽智大投手は３００万円減の３７００万円プラス出来高払いで更改した。今季は５２試合で６勝２敗、１３ホールド、１セーブも防御率は４・３８と不本意な成績に終わった。「本当に悔しいシーズンだった。来季は５５試合以上は投げたい。今年は防御率が悪かったので２点台、１点台を目指していきたい。３０ホールドを目標にやっていきたい」と気合を入れ直していた。

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