得点圏であと1本出なかったイメージも…ロッテ打線は満塁に強かった!?

ベースボールキング

  • ニュース

2022.11.17(木) 10:27

ロッテ・山口航輝 (C)Kyodo News

◆ チーム満塁の打率は…

 ロッテは前半戦終了時点でリーグワーストの294得点だったが、オールスター明けはリーグ3位の207得点を挙げ、終わってみれば得点数はリーグ3位の501。ただ満塁の好機を作りながら、あと1本が出なかった印象が強い。今季ロッテは満塁でどれだけ得点に結びつけることができたのか見ていきたい。

 今季ロッテが満塁のチャンスを作った回数は103度。暴投による得点などを含めると得点に繋がった回数は51度だった。満塁でのチーム打率は.278で、6月(.300)、7月(.300)、9.10月(.385)は月間のチーム満塁打率は3割を超えている。

 オールスター明け、2連敗で迎えた8月10日のソフトバンク戦、2-4の9回に守護神・モイネロを攻め、二死満塁から髙部瑛斗の適時内野安打による1点に終わり3-4で敗戦、8月23日の西武戦で0-3の4回に一死満塁からマーティンが見逃し三振、茶谷健太が遊ゴロに打ち取られ無得点に終わるなど、チームが勝てなかった8月は好機で凡退という場面が多かった。そのイメージが強く、満塁では打てていない印象にあったが、データにすると勝負強かったことがわかる。

▼ 月別満塁成績
3.4月:率.273(11-3)本0 点11 四球0 犠飛4
5月:率.200(5-1)本0 点5 四球1 犠飛1
6月:率.300(10-3)本0 点11 四球0 犠飛3
7月:率.300(20-6)本0 点15 四球2 犠飛2
8月:率.200(20-4)本0 点13 四球1 犠飛4
9.10月:率.385(13-5)本0 点11 四球2 犠飛1
シーズン:率.278(79-22)本0 点66 四球6 犠飛15


◆ 山口と松川が満塁で勝負強さ

 満塁で勝負強さを発揮した選手を見ると、若き大砲山口航輝がチームトップの4安打、チームトップタイの9打点をマークし、満塁での打率は.444(9-4)。ちなみにオールスター前までだと、打率.600(5-3)、7打点だった。

 5月17日の楽天戦で4-3の7回二死満塁の場面で安田尚憲の代打で登場すると、弓削隼人が1ボール1ストライクから投じた3球目の外角のストレートを逆らわずライトへ2点適時二塁打。6月18日の日本ハム戦では、0-0の3回二死満塁で伊藤大海からレフトへ先制の2点適時打を放った。さらに7月8日のオリックス戦では、5-0の6回に試合を決める2点適時二塁打。

 シーズン中の6月に行ったオンライン取材で、チャンスでの打撃について山口は「たまたまかもしれないですけど、いいところでヒットになるというのはたくさんあるので、チャンスでは集中力がより一層ましてきますし、代打の経験もいきてきているのかなと思います」と話している。

 ルーキーの松川虎生はシーズンの打率は.173だったが、満塁では無類の強さを誇った。満塁での打席数は5打席だが、全て打点を挙げるなど、山口と並びチームトップタイの9打点。佐々木朗希が完全試合を達成した4月10日のオリックス戦で走者一掃の3点適時二塁打、7月29日のオリックス戦で6-5の6回にしぶとくライト前に適時打、8月19日の楽天戦では3-4の6回に逆転の3点適時二塁打を放った。8月31日のソフトバンク戦では一死満塁から二ゴロで三塁走者が生還し、9月8日の日本ハム戦では一死満塁からライトへ犠飛と最低限の仕事をした。

 チーム全体に言えることだが、満塁に強いことを考えれば、本来なら得点圏でもっと打てるはず。来年は満塁だけでなく、好機に1本出る打線になって欲しいところだ。

▼ 満塁での打点数トップ3
1位 9打点 山口航輝、松川虎生
3位 8打点 中村奨吾

▼ 満塁での安打数トップ3
1位 4安打 山口航輝
2位 3安打 中村奨吾、髙部瑛斗、松川虎生

▼ 満塁での四球トップ
1位 2 小川龍成

▼ 満塁での犠飛トップ
1位 3 佐藤都志也

取材・文=岩下雄太

記事提供:

ベースボールキング