【オリックス】山本由伸独占コラム「山崎颯一郎の160キロ『スゴ!』」「宇田川優希は食べる量バケモン」
スポーツ報知
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2022.11.8(火) 05:40
オリックス・山本由伸投手(24)がスポーツ報知の独占コラム「球道夢想」で今季を振り返った。15勝、防御率1・68、勝率7割5分、205奪三振、2完封で史上初の2年連続「投手5冠王」に輝き、昨季に続いて沢村賞も受賞。絶対的なエースとしてパ・リーグ連覇と26年ぶりの日本一に貢献した。日本シリーズで痛めた左脇腹の状態も順調に回復。自身の成長やピンチでの心得、来年3月に控える第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への思いなどを語り尽くした。
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■脇腹回復順調
こうして日本一の報告ができることに、とても喜びを感じています。日本一になれたのはチームメートのみなさんのおかげ。日本シリーズでは僕自身、チームの力になれませんでしたから。脇腹(※1)についてですが、順調に回復しています。しっかりと治療や調整をして、また来年に向けて、いいオフを過ごしていきたいと思っています。
さて、今シーズンを振り返ってみると、成績自体は去年よりも少し落ちています。ノーヒットノーランなどもありましたが、成績以外の部分で自信がついたのは、勝負所のパフォーマンスです。この1試合、というところで力が発揮でき、いいボールが投げられるようになりました(※2)。そこにはいつも、ファンのみなさんの存在があります。声援に力をもらいながら、自分自身の成長につなげることができました。
■ギア上げる
例えば、ピンチでギアを上げる、という言葉があります。個人的なことでいえば、そういう感覚は持っていません。ピンチはピンチでも、その場面をピンチと思えば、力みが出て、打たれる確率が上がってしまいます。もちろん場面、場面によって、丁寧に投げるとか、多少アバウトに投げるとかはあります。ただ一番大事なのは、常に冷静でいること。熱くなりすぎないように、力みすぎないように、と。だからピンチでもう一段(ギアを)上げる、という感覚はありません。
去年からチーム全体としていろんな経験ができ、選手個々の力がすごく上がっているのを感じています。間違いなく、成長しています。特に同級生の(山崎)颯一郎や宇田川の活躍する姿は、素直にうれしく、僕自身の刺激にもなります。
あの2人はとにかく、ものすごい球を投げます。僕よりストレートは速いし、フォークもエゲつない。颯一郎の160キロ(※3)なんて、純粋に『スゴ!』って思いました。まあ普段は、2人ともフザけたやつで…。宇田川はめっちゃしゃべります。マジでうるさい…(笑い)。食べる量なんかもう、バケモンです。
■村上くんすごい
去年に続き、日本シリーズではヤクルトと戦いました。僕より1学年下で、4番の村上くんもすごかったです。成績自体はもちろん3冠王や56号は、本当に歴史的な記録。シーズン中もお祝いの連絡をしましたけど、途中からお祝いすることがありすぎました。連絡しても、どの記録を祝っているのか、分からなくなってしまいました(笑い)。
野球は自分の主になるもので、野球を中心に生活をしています。来年3月にはWBCがあります。今の時点では、あまり(国を)背負うというイメージはありませんが、ずっと興味があり、選んでいただけるのなら出たいと思っていた大会です。もしダルビッシュさんや大谷さんとプレーできるのなら、すごく楽しみなことです。たくさん得るものもあるでしょうし、力試しの場でもあると思っています。
より高いレベルでやりたいというのは、どんな世界でも、みんなが望むことだと思っています。僕自身もその一心でいます。そのためにも、まずは脇腹をしっかり治し、もっともっと練習を頑張らないといけません。このオフは、本当に忙しくなると思います。これからも野球を一生懸命、必死になってやるのみです。(オリックス投手)
【注釈】
※1 ヤクルトとの日本シリーズ第1戦(10月22日・神宮)に先発し、4回0/3を4安打4失点、64球で降板。投球中に左脇腹をつったような感覚があり、シリーズ中の復帰は見送った。
※2 3月25日の開幕戦(西武戦・ベルーナD)で8回を3安打無失点に封じ、チームの開幕戦連敗を10で止めた。9月17日からのソフトバンク3連戦(京セラD)も初戦に先発し、4安打完封勝利。3連戦3連勝につなげ、逆転優勝への道を開いた。10月12日のCS最終ステージ第1戦(京セラD)でもソフトバンクを相手に8回無失点で勝利投手となった。
※3 同じ98年生まれの山崎颯は10月15日のCS最終ステージ第4戦(京セラD)で球団最速の160キロを計測。山本の最速は159キロ。
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