堀内恒夫さん「オリックスの勝因は負傷の山本をカバーしたナインの“絆”」

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2022.10.31(月) 07:00

健闘をたたえあう中嶋聡監督と高津臣吾監督(カメラ・上村 尚平)

◆SMBC日本シリーズ2022 第7戦 ヤクルト4―5オリックス(30日、神宮)

 「SMBC日本シリーズ2022」第7戦が行われ、オリックスが2敗1分けから4連勝で1996年以来26年ぶり5度目(阪急時代含む)の日本一に輝いた。

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 「予想外の日本一」と言っては失礼だが、初戦で負傷した山本が以降の試合に投げられないことが分かった時点で、オリックスに勝ち目はないと思った。

 しかし、その不利な状況をナインの“絆”ではね返した。一丸となって戦う強さを見た。長嶋さんを指の負傷で欠いた巨人が堀内恒夫、高橋一三、倉田誠の3投手で勝った1973年のシリーズを思い出したよ。

 山本1人が傑出していた先発陣だったが、山崎福と宮城が好投した。大野雄(中日)、今永(DeNA)とはタイプが違う左腕がはまった。ヤクルトとすれば、敗戦寸前だった2戦目を引き分けに持ち込み、3戦目も取ったことで、安心感が出たのではないか。ボールを振るシーンが多くなった。緩急を使う山崎福、宮城にとっては思うつぼだった。

 村上も「3冠王の村上」ではなかった。ヤクルト打線を1人で背負い過ぎた。若さが出たとしか言いようがない。オスナが大健闘したが、このチームはオスナが主役になってはいけないのだ。彼がスーパーサブでいたら、楽に勝てていただろう。結局、打線は山田、投手陣はマクガフ。この2人の不振が痛かった。

 オリックスは打線が弱いと見られていたが、4戦目以降、大振りせずファウルで逃げるしつこさが目立った。軽打でタイムリーを打った杉本などその典型だ。短期決戦は不振に陥ると、すぐに終わってしまう。今年もその怖さを見せつけたシリーズになった。(スポーツ報知評論家・堀内恒夫)

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