ZOZOマリンで秋季練習を行うロッテ 来季こそマリンで日本シリーズを!

ベースボールキング

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2022.10.28(金) 10:56

ロッテの選手たち (C) Kyodo News

◆ 来季の戦いははじまっている

 セ・リーグ王者・ヤクルトとパ・リーグ王者・オリックスとの日本シリーズは第5戦を終え2勝2敗1分、連日のように1点を争う緊迫した試合で両球団のファンだけでなく、プロ野球ファンを熱くさせている。その一方で、これが自分の応援する球団だったらどれだけ面白いのだろうか、ドキドキするのだろうかと思っている他球団のファンも多いのではないだろうかーー。

 ロッテは2年連続2位に入り、リーグ優勝の機運が高まったたなかで今季は5位に終わった。井口資仁監督が退任し来季から吉井理人新監督のもと1974年以来の勝率1位でのリーグ優勝を目指し、みやざき・フェニックスリーグ組、ZOZOマリンスタジアムでの秋季練習組に分かれて、来季に向けて始動している。

 今季チーム得点リーグ3位の501得点だったが、リーグ5位の打率.231でチーム全体の打撃力向上、選手のレベルアップは来季に向けて必要不可欠。秋季練習では打撃練習に多くの時間を使い、全部フルスイングでインパクトの瞬間に強くというテーマで打撃練習を取り組む日も。股割りティー、股割りロングティー、ロングティー、特打などでバットを振り込む。

 今季チームトップの16本塁打を放った山口航輝は「バックスクリーンをめがけて練習しています。引っ張ったホームランは練習なら入る。引っ張るのは簡単。一番深いバックスクリーンの上の方を狙ってやっています」ということを意識してバットを振る。

 さらに練習終了後にはチームの練習メニューとは別に、藤岡裕大、加藤匠馬などがグラウンドでロングティーを行うこともある。

 投手陣も今季の悔しさを来季にぶつけると強い想いを持っている選手が多い。2年連続規定投球回到達し防御率3.14の成績を残しながら、今季3勝11敗と大きく負けが先行した小島和哉は「今年の悔しさを晴らしてというか来年も規定、2けた勝利、防御率も2点台というところをクリアして成長したところをしっかり見せられるように頑張りたいと思います」と吉井監督のもとで活躍を誓えば、昨季は勝ち試合の8回を掴むも今季は23試合の登板にとどまった佐々木千隼も「来年に向けて秋季練習からしっかり体を鍛えて、課題も見つめ直して吉井監督のもとでまたチームに貢献できるように頑張りたい」と逆襲に燃える。


◆ ZOZOマリンで日本シリーズを!

 2年連続でオリックスがリーグ優勝し、日本シリーズを戦っている姿を見ると、パ・リーグの代表として頑張って欲しいという気持ちはもちろんあるが、マリーンズファンも日本シリーズでマリーンズの選手たちを応援したいという想いが年々強くなってきているのではないだろうかーー。

 近年のロッテはチームとしての浮き沈みがとにかく激しい。今季で言えば、6月4日の巨人戦後に借金が今季ワーストタイの9になったが、翌5日の巨人戦に10-4で勝利すると、同日からの1カ月で14勝5敗と大きく勝ち越し、7月1日の楽天戦後に借金を完済して、翌2日には貯金を「1」とした。7月23日の日本ハム戦には今季最多の貯金3とし、前半戦を46勝44敗1分、首位と2ゲーム差の4位で終えた。

 今季も首位の背中が見えたなかで、オールスター明けのオリックスとの3連戦に3連敗。ここからチームはなかなか勝つことができず、8月23日の西武戦後には借金は7に膨らみ、首位とのゲーム差も8.5とリーグ優勝がほぼ絶望的な状況に。ライト・福田秀平がフェンスにぶつかりながら魂の好捕があった8月24日の西武戦に、5-2で勝利するとチームが再び浮上。一時首位とのゲーム差を5まで縮めたが、ここ一番という大事な試合でことごとく星を落とし、CS進出も逃した。

 吉井監督も就任会見で「以前敵のチームにいた時に思いましたが、マリーンズのチームカラーは手がつけられない時は本当に手がつけられないぐらい強い。ダメな時は本当にダメ」と指摘し、「その差をなくしたいと思っています。安定した力で常勝軍団を作っていけるようにしたい」と決意した。

 選手たちは、日本シリーズはテレビ中継で観るものではなく、ZOZOマリンスタジアムでプレーするものと、熱い気持ちを持ってこの秋、シーズンオフの自主トレを過ごして欲しい。来年こそ、この時期にZOZOマリンスタジアムで秋季練習ではなく、日本シリーズを行い、そして歓喜の瞬間を迎えたい。

文=岩下雄太

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