【オリックス】吉田正尚2発「感無量です」9回2死に球団初サヨナラ弾!ヤクルトと2勝2敗1分け

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2022.10.28(金) 05:15

9回2死一塁、サヨナラ2ラン本塁打を放った吉田正尚(カメラ・石田 順平)

◆SMBC日本シリーズ2022第5戦 オリックス6x―4ヤクルト(27日・京セラドーム)

 「SMBC 日本シリーズ2022」第5戦はオリックスが吉田正尚外野手(29)のこの日2本目となる本塁打で劇的なサヨナラ勝利を収め、2連勝で対戦成績を2勝2敗1分けのタイとした。1点を追う9回1死二塁から西野の投手強襲安打と悪送球で追い付き、主砲が右翼席に2ラン。第4戦で好投した宇田川優希(23)、山崎颯一郎(24)両投手がベンチを外れた中、終盤を救援陣がしのいだ。移動日を挟み29日の第6戦から、再び神宮に舞台を移す。

 一塁ベンチをいちべつした。劇弾を確信し、吉田正が人さし指を立てた。日本Sでは前身の阪急を含め、球団史上初のサヨナラアーチ。“今季最終戦”だった京セラDのファンを興奮させ、対戦成績をタイに戻した。「感無量です」と繰り返した9回2死一塁。すさまじいひと振りだった。

 1点を追った1死二塁。西野の投手強襲安打を処理したマクガフが一塁へ悪送球し、二走・安達が生還して同点。「気迫のつなぎで打席が回ってきた。自分のスイングを心がけた」とヘッドスライディングで失策を誘った2番打者に感謝。1ストライクから集中し、2球目のスプリットをガツンと叩いた。

 打った瞬間に判別できる一撃を、右翼5階席へ放り込んだ。「本当にすごい試合になりました」と冷静な中嶋監督に抱きしめられ、ヒーローは手荒い祝福によってビショぬれ。5回には中堅へチームの今シリーズ初本塁打も運んだ。球団では72年第3戦の阪急・加藤以来となる1試合2発。「みんなで勝ちを取るために、一戦一戦を戦っています」と言葉に実感を込めた。

 昨年の第1戦でもマクガフからサヨナラ二塁打を放った。オフに両足首の手術を控え、傷だらけだった。リーグ連覇を果たし、体調万全で臨んだ今シリーズ。時に勝負を避けられ「なかなか打球が上がってこなかった」と第4戦まで本塁打、打点0と苦しんだが、覚醒。日本Sで2度のサヨナラ打は史上2人目だ。

 「3球あるので。いかにその3球を使うか」と常に心得ている看板打者。「カット系を狙ってみる」とボソッとつぶやいた試合があった。相手は日本ハムの上沢。直球とフォークが主体の右腕にとって割合の少ない球種を、ものの見事にスタンドインさせた。高い技術とともに持ち合わせている向上心。CS最終ステージ前に組まれた社会人との練習試合でも「変化球を待って、いかに真っすぐを仕留められるか」とテーマ設定して臨んでいた。

 独り占めしたお立ち台で「体もちょっと、しんどくなってきました」と苦笑いした。この日の試合前に大量のドーナツを差し入れしたのが、青学大の先輩でもある杉本。勝っても負けても、一体感があった。「一喜一憂せず、切り替えながらやっていました。最後に勝てばいいことだと思います」。移動日を挟み、29日から再び神宮へ。土俵際から押し戻し、まだまだ熱く戦える。(長田 亨)

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