◆ＳＭＢＣ日本シリーズ２０２２　第４戦　オリックス１―０ヤクルト（２６日・京セラＤ）

　「ＳＭＢＣ　日本シリーズ２０２２」第４戦は、オリックスが４投手による完封リレーで今シリーズ初勝利を挙げ、対戦成績を１勝２敗１分けとした。中嶋聡監督（５３）の継投策がズバリ的中。２番手・宇田川優希投手（２３）は５回と６回の同点危機をいずれも切り抜け、自身のシリーズ１勝目を挙げた。打っては杉本裕太郎外野手（３１）が３回２死二塁で左前に先制適時打を放ち、決勝点に。２６年ぶりの日本一へ、昨季王者・ヤクルトへのリベンジ劇が始まった。

　杉本は小さく拳を握った。０―０の３回２死二塁、再びチャンスで回ってきた。第１打席は初回２死満塁で空振り三振。「ここで打てば取り返せる」。１ボールから石川の低めのチェンジアップをすくい上げ、左前へ。貴重な先制点を奪った。「何とか先制の１本になってくれて良かった」。チームはこの虎の子の１点を死守し、球団史上初の日本Ｓでの１―０勝利を飾った。

　チームと同様、苦しんできた。ソフトバンクとのＣＳ最終Ｓでは計４試合で打率３割８分５厘、５打点、１本塁打と大活躍。ところが、頂上決戦ではヤクルト・バッテリーの内角攻めの前に沈黙。“心機一転”、この日は、これまで京セラＤではあまり見せなかったアイブラック（目の下に貼るステッカー）をして臨んだ。

　第１打席も３度スイングして、積極性は見せていた。２打席目もファーストストライクをスイングしてタイムリー。その後の２打席は凡退したが、この日の４打席で見逃しストライクなし。「結果を出して自分が成長できるチャンス。何とか食らい付いてます」。開き直ったようにバットを振ることで目を覚ました。中嶋監督は「まだ注文するところはいっぱいあるんですけど」と前置きしながらも、「タイムリーというのは大きい」とねぎらいの言葉をかけた。

　ラオウは投手陣への感謝も忘れない。宇田川、山崎颯とヒーローインタビューに臨み「いやあ、もう、やばい球を投げてる。明日も投げてもらおうかな」と称賛。今シリーズ４試合でヤクルトの計１５得点に対し、オリックスは８得点とまだ劣る。「もっと打たないと。今日１本打てましたけど反省です」。頂点を見据え、さらに勝利への貪欲さをにじませた。（玉寄　穂波）

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