◆パ・リーグ　楽天２―５オリックス（２日・楽天生命パーク）

　優勝マジックを１としていたソフトバンクがロッテに敗れ、楽天を下したオリックスが逆転で２年連続１４度目（阪急時代含む）のパ・リーグ優勝を決めた。連覇はイチローを擁した仰木彬監督時代の１９９５、９６年以来２６年ぶり。首位との最大１１・５ゲームをはね返した。同率で並び、当該球団間の対戦成績によって優勝が決定したのはＮＰＢ史上初。首位３日での優勝は最少となった。１２日から本拠地でクライマックスシリーズ（ＣＳ）最終ステージ（オリックスにアドバンテージ１勝）に臨む。

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　試合後の中嶋監督の褒め言葉が象徴していた。「投手陣の頑張りがなければ、ここまで来られなかった。野手陣、頑張ってください」。開幕前には想像できなかっただろう、リリーフ陣の台頭。まずは宇田川の剛腕が流れを止め、引き寄せた。

　２点を先制された４回無死一、二塁で投入され、茂木を一直。田中和を歩かせても、小深田は遊飛、渡辺佳を投ゴロに仕留めた。５回２死一、三塁ではギッテンスを外角直球で二飛。イニングをまたぎ、力強くバトンを渡した。

　仙台大から２０年の育成ドラフト３位で入団。日本人の父とフィリピン人の母を持つ右腕は、常時１５０キロ超の直球が売りだ。課題の制球面が向上し、７月末に支配下登録。優勝を決めた試合でプロ２勝目を手にし「自分でもよくやったかなと思います。素直にうれしい」と笑みを浮かべた。

　山崎颯も流れを保ち、６回からの２イニングを３奪三振、無失点。開幕は先発要員だった。不振で４月末に２軍落ち。故障もあり、長く苦しんだ。ファームでは筋力強化に取り組み、９月以降はリリーフで開花。勝利の方程式の一人として３連投も経験した。

　最後を締めたのは２年目・阿部。平野佳の不調もあり、９回を託された。「本当に、心臓が飛び出るんじゃないか」と緊張はピークだったが、銀次、小深田、渡辺佳と堂々の３者凡退。ムードメーカーでもある２９歳右腕に、胴上げ投手のご褒美が待っていた。ＣＳ、日本シリーズでも頼りになりそうなリリーバーたち。前途は果てしなく明るい。（長田　亨）

　◆宇田川　優希（うだがわ・ゆうき）１９９８年１１月１０日、埼玉県出身。２３歳。父が日本人で、母はフィリピン人。八潮南高では甲子園出場なし。仙台大を経て、２０２０年育成ドラフト３位でオリックス入団。今年７月に支配下登録。８月３日に１軍デビューし、９月８日の西武戦（ベルーナＤ）で初勝利。この日が１９試合目の登板で２勝１敗３ホールド、防御率０・８１。１８４センチ、９２キロ。右投右打。

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