【オリックス】平野佳寿「この監督のために頑張りたい」不調続くも、変らぬ信頼に燃えた…連覇に喜びの手記

スポーツ報知

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2022.10.3(月) 06:00

優勝が決まり、伏見寅威(左)と抱き合う平野佳寿(カメラ・義村 治子)

◆パ・リーグ 楽天2―5オリックス(2日・楽天生命パーク)

 オリックス・平野佳寿投手(38)がスポーツ報知に喜びの手記を寄せた。開幕から守護神を務め、7月に新型コロナ感染、9月にもコンディション不良で戦列を離れながらパ・リーグ3位の28セーブを記録。山本ら後輩投手への信頼とともに抑えの苦悩を告白し、自身の引き際にも触れた。

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 オリックスが強いチームになっていることが素直にうれしい。僕自身、優勝争いをしている8、9月にコンディションが上がらなかった。新型コロナウイルスに感染した影響なのか。真っすぐで押せていたのが、ギュッと行けなくなった。そんな選手がマウンドに上がり、投げるのはどうなのか。邪魔なのではないか、と思ったりもした。

 どこでも投げます、と申し出たことがあった。「最後(9回)だよ、バカヤロウ」と背中を押してくれたのは高山投手コーチ。中嶋監督も、打たれたことがなかったことのように話しかけてくれる。若い投手には「何しとんや!」って。そこを突っ込んで、笑いに変えてくれる。この監督のために、頑張りたいと思った。

 僕が10歳若くても、彼らには勝てないだろう。正直に言えるほど、若い投手が成長している。阿部は野球が好きで、ブルペンでも試合を見ながら一喜一憂。そのままのテンションで、マウンドに向かっている。先輩、後輩関係なく、容赦ないイジりにも応えてくれるムードメーカー(笑い)。年長組の比嘉さんや僕の下に阿部や黒木がいて、いい雰囲気で話ができている。

 阿部に助言をするなら、フォークだけでは投球が行き詰まるということ。真っすぐを投げた方がいいよ、と彼にも捕手の(伏見)寅威や若月にも伝えたことがあった。宇田川や(山崎)颯一郎のマウンド度胸もすごい。物おじせず156、7キロ。これからのオリックスを背負ってほしい。ワゲスパックは能力が高く、真面目。日本のやり方に合わせて、一生懸命練習する。

 (山本)由伸はこの2年間、エースとしてケガをせずに投げきっている。あの真っすぐにフォーク、カーブ、スライダー。トータルで見れば日本で一番、完成された先発投手だ。レベルが違うし、僕に聞くことなんてない。いつも応援するだけ。由伸頑張れ、と。

 僕はたまたま、抑えとして投げているだけ。切り替え、とよく言われるが、切り替えることなんて簡単にはできない。乗り越え方はないし、苦しいまま、背負ったまま進んでいる。抑えに失敗して、次抑えて、その次も抑えて、ようやく忘れられる。だから、抑えに失敗すれば、その次の試合を本当に大事にしている。

 今年も同世代の選手が現役を引退していった。1学年上の比嘉さんとも「俺らもだんだん、近づいてる」と話をするようになった。僕の気持ち、体力的なこともあるが、球団に「要らない」と判断されたら、引き際はそこなのかな…。それまではもう少し、あがきたい。あと29セーブで名球会入会資格の日米通算250セーブ。そこよりも少しだけ、こだわりたいのが通算200セーブ200ホールドだ。達成まであと2ホールド。誰もやったことがないから、まずそこに挑戦したい。(オリックス投手)

 ◆平野 佳寿(ひらの・よしひさ)1984年3月8日、京都府出身。38歳。鳥羽高2、3年時のセンバツに出場したが、登板は2年準決勝での救援1試合。京産大から2005年ドラフト希望枠でオリックス入団。11年に最優秀中継ぎ、14年はセーブ王。18年にメジャー移籍。昨年オリックス復帰。今年4月26日の日本ハム戦(東京D)で日米通算200セーブ、6月2日のDeNA戦(横浜)で史上7人目となるNPB通算200セーブを達成。186センチ、88キロ。右投右打。年俸2億円。

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