◆パ・リーグ　日本ハム３―１１ロッテ（２８日・札幌ドーム）

　札幌は最後まで新庄劇場だった。来季から新球場「エスコンフィールド北海道」に移転する日本ハムが、札幌ドームで最終戦に臨んだ。試合は敗れたが、新庄剛志監督（５０）は試合後のセレモニーで「ビッグボス」からの卒業と、来季は「新庄剛志」として指揮を執ることを宣言。まだシーズン中にもかかわらず、来季の開幕投手を加藤貴之投手（３０）に託すことも発表し、「札幌ドーム、ありがと～！」と締めた。

　札幌Ｄは「ＳＨＩＮＪＯ」で始まり、「ＢＩＧＢＯＳＳ」で幕を閉じた。０４年から本拠地としてきた札幌Ｄでの最終戦。最後は、ビッグボスからの“卒業宣言”と続投宣言だ。試合後のセレモニー。かねて自身のインスタグラムで発表を予告していた新庄監督は「結果はファンを悲しませた断トツ最下位です。監督、ビッグボスが悪いです。短い１年でしたけど今シーズンをもってビッグボスのユニホームを脱ぎます」とマウンドにユニホームを置いた。

　退任なのか、ジョークなのか…ファンの目が点になっているところで、「ＳＨＩＮＪＯ」のユニホームを着て再登場。川村球団社長からこの日午後４時に続投の打診を受けたことを明かすと、「返事はまだしてません。来年『新庄剛志』で、エスコンフィールドで指揮を執ってもいいですか？　畑オーナー、川村社長、今返事します。よろしくお願いします！」と声を張り上げた。

　昨秋の就任会見で「監督って呼ばないでください。ＢＩＧＢＯＳＳ！」とし、開幕前日にはＮＰＢへの登録名の申請も完了した。わずか１年での卒業。「寂しさよりも真剣勝負」と来季への本気度を理由と明かし、「ビッグボスってちょっとチャラい（笑い）。船長にしようか新庄にしようか悩んだ」と笑った。

　北の大地では、ダルビッシュ有や斎藤佑樹、中田翔、大谷翔平ら多くのスターがプロ生活をスタート。今はスター候補生の清宮らも階段を上っている。就任会見で７人のスターを生み出す決意を語ったビッグボスは「松本（剛）君と加藤君はタレントの１人になったでしょう」と認定。来季のニュースター誕生にも期待している。

　札幌Ｄ移転後１１０６試合目の最終戦は逆転負けを喫し、通算５９９勝４６７敗４０分けで終了。「来年の大事な開幕戦は左のエース、加藤投手に任せたいと思います！」と史上最速！？の開幕投手も公表し、「来年は２位も６位も一緒です。日本一だけを目指してぶれずに戦っていきたいと思います！」。新庄劇場は来年３月に開業する北広島市の新本拠地「エスコンフィールド北海道」に続いていく。（田中　哲）

　◆エスコンフィールド北海道　北海道・北広島市に建設中の日本ハムの新球場。総工費は６００億円で２０２３年３月に開業予定。日本初となる開閉式屋根付きの天然芝球場で、両翼は１００メートル。掘り込み式のフィールドから地上４階までの収容人数は３万５０００人。温泉やホテルなどの複合型施設が併設され、球場を含めた北海道ボールパークＦビレッジ内にはマンションなども建てられる。札幌駅から１６分のＪＲ北広島が最寄り駅で、そこから徒歩約２０分。車は札幌中心部から約３０分で、駐車場は４０００台が収容可能。

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