ロッテ、藤原が同点打!安田が決勝弾!明日は鈴木が先発「強い気持ちで挑みたい」

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2022.9.18(日) 19:26

9回ロッテ二死二、三塁、安田が右越えに勝ち越し3ランを放つ(C) Kyodo News

● 日本ハム 4 - 7 ロッテ ○
<22回戦・札幌ドーム>

 最後まで諦めてはいけないということを改めて教えてくれたロッテの逆転勝利だった。

 3-3の8回に登板した西野勇士が、杉谷拳士のバントを三塁に悪送球し一時勝ち越しを許した時点で、6回から8回まで三者凡退に抑えられていた打線を考えると、重すぎる1点だった。

 その後、一死満塁のピンチを西野は古川雄大を139キロフォークで見逃し三振、万波中正を148キロのストレートで見逃し三振に仕留め、なんとか最少失点で切り抜けた。

 残されたイニングは1イニングのみとなったロッテは3-4の9回、先頭の茶谷健太が石川直也の前に3球三振に倒れたが、代打・角中勝也が二塁打で出塁した。打順はトップに戻り4回の守備から途中出場していた藤原恭大。藤原の打席中、暴投で代走の二塁走者・和田康士朗が三塁に進むと、藤原は3ボール2ストライクからの7球目のナックルカーブを内野前進守備の横を抜けるセンター前に貴重な適時打で同点に追いつく。

 中村奨吾がレフト前に運び、二死一、三塁で、安田尚憲の2球目に中村が二塁盗塁を決め二、三塁。続く3球目、安田は石川のフォークを振り抜くと、打球はマリーンズファンの待つライトスタンドへ飛び込む第8号3ラン。7-4となった9回裏は、オスナが3人で抑えた。

 試合を振り返ると、8回に西野が先頭から二者連続四球に悪送球で失点しながら1失点に抑えたこと、9回の攻撃で先頭の茶谷が3球三振に倒れたあと、代打・角中勝也が二塁打で出塁したことが大きかった。

◆ 高卒ドラ1コンビが躍動

 そして何よりも、9回の逆転劇にマリーンズファンの期待が大きい18年ドラフト1位・藤原が同点打、17年ドラフト1位・安田が決勝弾と、“高卒ドラ1”の2人が得点に繋がる働きをしたこと。

 藤原は“勝負の年”と位置付けレギュラー獲得を狙ったが、ここまでは不本意な成績。ただ、9回に同点打を放ったように“ここ!”という場面での勝負強さは、得点圏打率以上のものを見せるあたりはさすがだ。

 「いいスタートを切れれば、高確率でセーフになるというのがある」と自信を持つ盗塁も、失敗が許されない場面できっちりと二塁盗塁を決めた。今季一軍では7度盗塁を試みているが、失敗はなし。この日は5球目で盗塁成功となったが、7盗塁中5盗塁が3球目以内に盗塁を決めている。早いカウントから積極的に仕掛けるのが今年の藤原の特徴だ。

 前日はチャンスで一本が出なかった“4番”安田は初回に先制の犠飛、3回に適時打、そして9回に決勝3ランで1試合に5打点。8月は月間14打点、9月もここまで14打点と、この2カ月で28打点を挙げる。

 安田は7月に行ったオンライン取材で、近い世代の若手選手とともに一軍の試合に出場することについて、「若手が多く試合に出たり、チャンスをもらったりしているので心強い。一緒に頑張っていこうという気持ちはみんな持っているんじゃないかなと思います」と話していた。

 リーグトップの盗塁数を誇る大卒3年目の髙部瑛斗、ショートでの先発出場機会を増やしバットでは下位打線からチャンスメイクする24歳の茶谷健太、ここ最近は元気がないが11本塁打を放つ22歳の山口航輝、先発マスクを被った高卒1年目の松川虎生と若い選手が少しずつではあるが、結果を残し始めている。

 19日は大卒2年目の鈴木昭汰が先発する。20年ドラフト1位の鈴木は19日の登板に向けて「札幌ドームはプロ1年目の昨年以来の登板です。投げやすい印象があります。前回、とにかくやるしかないという強い気持ちで投げて結果が出たので、今回も絶対に勝つという強い気持ちで挑みたいです。自分のピッチングをすることが出来ればと思います」と意気込んだ。

 残りは11試合。中堅、ベテラン、外国人選手はもちろん、18日の試合のように若手選手の活躍で勝利することができれば、チームに勢いはつくはずだ。鈴木には明日の登板でも、前回登板のように初回からガンガン力で押していく投球を見せて欲しい。

文=岩下雄太

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