チームに勢いがつくロッテの1番打者・荻野貴司の出塁

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2022.9.13(火) 09:18

ロッテ・荻野貴司 (C)Kyodo News

◆ 荻野が第1打席に出塁すると…

 ロッテの不動のリードオフマン・荻野貴司が第1打席に出塁すると、チームは勢いがつく。

 12日の日本ハム戦でも0-0の初回、先頭の荻野は先発・加藤貴之が投じたスライダーをライトへ放つと、ライトが後ろに逸らす間に俊足を飛ばして一気に三塁を陥れ(記録は三塁打)、続く髙部瑛斗のセンター前への安打で先制のホームを踏んだ。

 今季荻野は1番打者として出場した第1打席に27度出塁しているが、そのうち16度得点に結びついている。荻野が初回の第1打席に出塁するとかなり高い確率で得点につながっているが、本人は「毎打席そんなに意識は変えていないですね」とのこと。


◆ 荻野が塁に出てクリーンアップで還す

 第1打席だけでなく、荻野がイニングの先頭で出塁しクリーンアップで得点するという攻撃パターンが増えている。少し前までは荻野、髙部瑛斗の1、2番コンビが塁に出ても、クリーンアップであと1本が出ないということが多かったが、ここへきて3番・中村奨吾、4番・山口航輝、5番・井上晴哉、6番・安田尚憲がポイントゲッターとしてその役目を果たす。

 8月29日のソフトバンク戦では1-2の6回に先頭の荻野がレフト前安打で出塁すると、髙部が送って、中村のセンター前安打で一死一、三塁。4番・山口がレフトへ同点の適時打を放った。9月7日の西武戦では5-1の6回に先頭の荻野、2番・髙部の連打でチャンスを作り、5番・井上がレフトフェンス直撃の2点適時二塁打で試合を決めた。9月11日の楽天戦でも0-0の4回に先頭の荻野が四球で出塁し、中村の右安で一、三塁とし、山口の犠飛で先制点を挙げている。

 荻野がイニングの先頭打者で出塁し、髙部も安打や犠打などで繋ぎ、3、4、5番で還すことができるようになったことで得点力はあがり、9月の月間得点はリーグ2位の42得点。4番・山口は月間リーグトップの8打点、井上も7打点、中村も6打点をマークする。荻野だけでなく、松川虎生、茶谷健太といった下位打線で好機を作り、1、2番で還すこともできる。

 やや脱線してしまったが、話を荻野に戻すと、トップバッターとして「まずは自分のスイングをすること、追い込まれたらしっかり粘って出塁することを意識しています」と明かす。荻野の出塁が増えれば増えるほど、チームの得点機会はアップする。今夜もトップバッターとして、チームを勝利に導く働きに期待したい。

文=岩下雄太

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