【日本ハム】宮西尚生、誰よりも本拠地マウンドに上がった男が札幌ドームの思い出語る・・・連載「中継ぎの流儀・勇往邁進」
スポーツ報知
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2022.9.9(金) 11:04
日本ハム・宮西尚生投手(37)が8日、自ら記す連載「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」で、今年が最後となる札幌Dの思い出などをつづった。6日に左肘関節のクリーニング手術を終えた左腕は、同球場最多の通算351登板(2番目は216登板の武田久、3番目は193登板の現オリックス・増井浩俊)を記録。誰よりも本拠地のマウンドに上がった男が「酸いも甘いも全部詰まっている球場」のグラウンドから裏側までを語った。
札幌ドームで一番投げたという実感はなかったです。(武田)久さんのイメージの方が強かったですね。いい思い出も嫌な思い出もいっぱいあるなあと思い出します。調子がいいときはあんなに広くて投げやすい球場はないと思いますが、調子悪いときはかなり狭く感じます。優勝も決めていますし、打たれまくったときもある。酸いも甘いも全部詰まっている球場ですね。
投手からすれば広さが魅力です。僕がファイターズに入った時は1、2点を取って、それを守り切って勝つ野球。守備は先輩らみんながうまかったので、あれだけ広いとほとんどアウトに取ってくれる。だから思い切って投げられるというのはありましたね。試合では、プロ初登板が一番の思い出かなと思います。
ですが、意外と一番印象に残っているのは札幌ドームでの待機優勝【注1】です。(2位の西武が)負けていたら5回ぐらいに球場に来てくださいということで、そこからロッカーで試合を見ながら「きたきたきたきた!」みたいな感じでした。ファンの方たちにグラウンドを開放していて、9回になったらベンチに行って、みんなで見ていました。普段、わくわくしながら球場に行くことはないですが、そのときは(試合がなく)ホッとしたまま球場に行ったので、変な感じでしたね。なかなか味わうことができない経験でした。
ロッカーも過ごしやすい環境にしてくれるように、かなり変わっていきました。今はメインロッカーと第2ロッカーがありますが、昔は全員詰めて入っていました。キツキツだったので、整理整頓には先輩らもかなりうるさかったですね。ダル(現パドレス・ダルビッシュ有)とかは荷物とかを汚していたら「整理しろ」ってよく言われていました(笑い)。
要望もいろいろと応えてもらいました。風呂場の電気は僕の要望かもしれないです(笑い)。風呂場は黒をベースにしていて、昔は電気も薄暗い感じでした。暗いところで興奮したのを落ち着かせる意味もあったと思いますが、試合前に暗い雰囲気の風呂に入ると気分も暗くなってくるなと。明るくしたい時もあるので「電気を明るくしてほしい」と言ったら調整できるようになっていましたね。
寂しさはもちろんあります。一つの時代が終わるというか、新たな時代に進むんやな、という感じはありますね。今年1年目の子や来年ドラフトで入ってくる子もですし、そういう選手たちが新球場でどんどんいろんな記録やドラマをつくっていくわけです。僕はさすがにそこで何かしらというのはないと思いますが、新球場で400ホールド(現在380)を取れたらいいなと思います。(宮西 尚生)
【注1】12年10月2日。優勝マジックを「1」としていた日本ハムは試合がなかったが、2位・西武がロッテに敗れ、3年ぶり6度目の優勝が決まった。札幌Dでは公開練習後にグラウンドが開放され、ファンも待機。大型ビジョンでは西武・ロッテ戦が9回から映し出され、1万5608人のファンが栗山監督の胴上げを見届けた。2リーグ制(50年)後、試合がない日にリーグV決定は、10年中日以来12度目でパでは88年西武以来24年ぶり4度目だった。
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