ロッテ、前日は大勝で勝ちパターンの救援陣を温存…早めの継投が勝利に繋がる

ベースボールキング

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2022.8.29(月) 22:08

ロッテの東條大樹

● ソフトバンク 2 - 3 ロッテ ○
<18回戦・京セラD大阪>

 ロッテは、7連戦最終戦となった29日のソフトバンク戦に3-2で勝利し、7連戦を5勝2敗で終えるとともに、首位・ソフトバンクとのゲーム差を6に縮めた。

 28日の楽天戦で打線が13安打9得点を奪い、先発した小島和哉が7回を投げたことが活きた試合だった。1-2の4回から先発・森遼大朗に代わって岩下大輝が2番手で登板。2イニング目となった5回に無死一、三塁のピンチを招くも、ソフトバンクの攻撃のミスにも助けられ無失点で切り抜ける。

 直後の6回に先頭の荻野貴司がレフト前に運ぶと、続く髙部瑛斗がきっちりと初球で送る。中村奨吾の中安で一、三塁とすると、4番・山口航輝の適時打で同点に追いついた。

 2-2の6回裏は東條大樹がマウンドにあがり、二死走者なしからデスパイネにレフト前に運ばれたが、野村大樹を3球三振。7回表は一死走者なしから佐藤都志也が四球を選び、続く9番・小川龍成が1球目で送りバントを決める。1番・荻野が前進守備の外野の頭を越える右中間への適時三塁打で勝ち越し。

 6回の髙部、7回の小川ともに初球で送りバントを決めたことで、攻撃にリズムが生まれ得点に繋がったといえるだろう。これでロッテは8月24日の西武戦で荻野貴司が初球で送りバントを決めてから、4度連続で初球に犠打を決め、そのうち3度が得点に結びついている。

 1点を勝ち越せば、あとは勝利の方程式で逃げ切るだけ。7回・唐川侑己が先頭の谷川原健太に死球で出塁を許すも、後続を危なげなく打ち取りわずか6球で1イニングを終える。8回に登板したゲレーロは来日後最速タイとなる163キロを計測するなど、160キロを超えるストレートを軸に無失点、最終回はオスナが3人で試合を締めた。

 ロッテは投手を中心にした守り勝つ野球。東條が復帰し、岩下もビハインドでのロングリリーフができることで、リリーフ陣が充実してきた。特に岩下がロングリリーフにいることで、先発を無理に引っ張ることなく、29日のソフトバンク戦のように早めに継投に切り替えることも可能だ。そういった意味でも、シーズン最終盤、岩下はかなり貴重な存在といえる。

 ただロッテというチームはこれまで何度も記してきたように、好不調の波が大きく、1つの勝利をきっかけに大型連勝をしたり、突然チーム状況が悪くなったりとこの先の戦いが全く読めないチーム。7連戦の初戦を終えた23日(火)終了時点で首位と8.5差だったが、首位と6差まで縮めた。この良い流れをシーズン最後まで継続し、ミラクルが起こることを期待したい。

文=岩下雄太

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